発明王エジソンが京都産の竹を使って白熱電球を完成させるずっと前から、電力を用いずに動くロボットとして実用化されていた日本の「からくり人形」。 秘伝の技術を、多くの研究者が参考にできるカタチにまとめた書物がありました。 からくり半蔵という人物によって1796(寛政9)年に書かれた、全3巻の技術書「機巧図彙」(からくりずい)です。 のちの時代に、日本のロボット工学のイノベーションが起こるきかっけになった書物といわれています。 土佐藩の郷士の子として生まれた半蔵は、幼少期から儒学、天文学とともに、工作技術に関心をもっていたとされます。 30代の頃に、写天儀、行程儀(万歩計)を作成したり、時計の分解を行うなど、独学でからくりの研究を重ねました。 半蔵は「機巧図彙」の出版を見届けることなく世を去りましたが、その人生の集大成ともいえるこの書物は、後世に語り継がれる大きな業績となりました。 半蔵の思索の