新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、品薄状態のマスクがインターネット上で高額転売されている。既存の法律を駆使して取り締まることもできるが、より厳しい新たな規制措置が望まれる。その内容と限界は――。 使い勝手が悪い古物営業法 コンサートチケットのダフ屋行為であれば、チケット不正転売禁止法や各自治体の迷惑防止条例で取り締まることが可能だが、マスクやアルコール消毒液、トイレットペーパーなどは対象外だ。 一方、古物営業法の「古物」は中古品だけでなく、未使用でも使用のために取引されたものであれば構わないから、公安委員会の許可を得ずに転売を繰り返せば、最高刑が懲役3年の無許可営業罪にあたるという見方もある。 古物商の許可区分に関する古物営業法施行規則にはマスクや消毒液といった消耗品が挙げられていないが、何が古物にあたるのかを定めた規定ではないからだ。 しかし、最初から他人に転売するために薬店などでマス