今年7月に行われたイギリスの総選挙では労働党が勝利をおさめ、14年ぶりの政権交代がおこりました。この出来事はどのように理解されるのでしょうか。また日本の選挙を考えるうえで、ここからどのような洞察が得られるのでしょうか。若干の検討を行ったのでその結果をまとめました。 獲得議席数 まずは全体の議席がどれほど動いたのかを振り返るとともに、登場する主要な政党を確認してみましょう。図1に前回の選挙(2019年イギリス総選挙)の議席数を、図2に今回の選挙(2024年イギリス総選挙)の議席数をそれぞれ示しました。 図1. イギリス総選挙(2019年)獲得議席数 図2. イギリス総選挙(2024年)獲得議席数 なお、議長のリンジー・ホイル氏を労働党に数える場合、労働党の議席は1つ多くなります。イギリス下院では議長は無所属となるのが慣例で、ホイル氏はそのため2019年に労働党を離れました。この図では「その他