日本での技能実習を終えて一昨年6月にベトナムに帰国したファム・ティ・チャー・ミーさん(26)は、家族の反対を押し切って4カ月後、今度は英国で働こうと密入国を試み、身を隠したコンテナの中で命を落とした。なぜ英国だったのか。ベトナムの家族が明かした理由とは。(宋光祐) 【写真】着物姿のチャー・ミーさんと、日本語でつづられた作文「私の夢」 両親によると、2019年10月3日午前、チャー・ミーさんは自宅近くのバス停から家族に見送られて、ハノイ行きの長距離バスに乗った。翌日昼には、父親のティンさんのスマートフォンにメッセージが届いた。 「車で中国に向かっています。他にもベトナム人が乗っているから心配しないで。無事に到着したら知らせるから、電話しないでください」 彼女はハノイで数時間休んでから中国に移動し、そこで10日間滞在した。具体的な滞在場所は言わず、宿泊先は快適だとだけ伝えてきたという。その間に