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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (8)

  • ベビーシッター事件で子どもを犠牲にしているのは誰だ? 週刊プレイボーイ連載(142) – 橘玲 公式BLOG

    埼玉県富士見市のマンションで2歳の男児が遺体で見つかった事件で、26歳のベビーシッターが死体遺棄容疑で逮捕されました。子どもを預けた母親は夫と別居していて、生活保護を受けながら週2日ほど夜の仕事をしていたといいます。この事件はシングルマザーが置かれているきびしい状況を浮き彫りにしました。 保育事業を所管する厚生労働省はベビーシッターについて、「信頼できる認定事業者を利用してほしい」というだけで、具体的な対策はなにひとつしていません。なんにでも首を突っ込んで権益を拡大したがる官僚がこの問題に無関心なのはもちろん理由があります。 認定事業者に子どもを一晩預けると3~4万円の費用がかかりますが、男児の母親の仕事は時給2000円でした。これでは働くほど赤字になってしまいますから、インターネットで安く預かってくれるシッターを探すしかなかったのです。 この問題を解決するもっともかんたんな方法は、事業者

    ベビーシッター事件で子どもを犠牲にしているのは誰だ? 週刊プレイボーイ連載(142) – 橘玲 公式BLOG
  • なんだ、“食糧危機”はウソだったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG

    すこし前のだが、川島博之氏の『「作りすぎ」が日の農業をダメにする』を紹介したい。 川島氏はシステム分析の専門家で、糧問題やエネルギー問題など、利害関係者の思惑によって議論が錯綜するやっかいな問題について、マクロのデータを冷静に分析したうえで現状を把握し、未来を予測することの重要性を強調する。書は、『「糧危機」をあおってはいけない』や『「料自給率」の罠』とともに、”糧自給率”や“糧安全保障”といった言葉に踊らされる日国内の議論がいかに不毛なのかを、国連糧農業機関(FAO)や国連人口局、世界銀行などの公開データを基に徹底的に暴いていく。 1950年に25億人だった世界の人口はその後爆発的に増加し、2011年には70億人に増えた。それと同時に、農業における科学技術革命によって1950年頃から米や小麦、トウモロコシなど穀類の単収が急増し、豚肉、鶏肉など肉の生産量も大幅に伸びて

    なんだ、“食糧危機”はウソだったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG
    homer_wells
    homer_wells 2012/11/09
    「牛や羊が草を食べるのに対して、豚や鶏は穀類で育つ」
  • 政治家が官僚を叩くと日本はギリシアになる? – 橘玲 公式BLOG

    資料を整理していたら面白い研究を見つけたので紹介したい。日経新聞2012年5月21日(朝刊)の経済教室に、「日は南欧化するのか?」として、鶴光太郎慶大教授が寄稿した記事だ。 ここで取り上げられる問題は、次のふたつだ。 先進国のなかで、アングロサクソン(英米)のように小さな政府を志向する国と、ヨーロッパのように大きな政府を志向する国があるのはなぜか? 大きな政府を志向するヨーロッパのなかでも、財政が健全な北欧諸国と、不健全な財政に苦しむ南欧諸国に分かれるのはなぜか? その回答として、他人への信頼度(公共心)と福祉の規模をマッピングした研究がある。それが下図だ。 この図では、他人への信頼度(公共心)が低い国(ポルトガル、ギリシア、フランス、イタリア、スペイン)は福祉の規模が大きく、信頼度が高くなるにつれて福祉の規模は小さくなっていく(アングロサクソン国)が、より公共心が強まるとふたたび福祉国

    政治家が官僚を叩くと日本はギリシアになる? – 橘玲 公式BLOG
  • 日本人はどんな場所にいるのか? イングルハートの価値マップ – 橘玲 公式BLOG

    『(日人)』では、日人の特徴は、(それがもしあるとすれば)「空気(世間)」ではなく「水(世俗)」にある、という議論をしています。 その当否についてはさまざまな意見があると思いますが、ここで議論の前提として、書のアイデアの元となったイングルハートの価値マップを掲載しておきます。 ロナルド・イングルハートはアメリカ政治学者で、国民性による価値観のちがいを客観的に評価すべく、世界各地で大規模なアンケート調査を行なっています(このブログで何度か紹介した世界価値観調査もイングルハートが始めたのもです)。 *イングルハートの価値マップのことは、社会学者・橋努氏の『経済倫理=あなたは、なに主義』で知りました。 この「価値マップ」では、縦軸が「伝統的価値(前近代)」と「世俗-合理的価値(近代)」、横軸が「生存価値(産業社会)」と「自己表現価値(ポスト産業社会)」になっています。 左下が「生きてい

    日本人はどんな場所にいるのか? イングルハートの価値マップ – 橘玲 公式BLOG
    homer_wells
    homer_wells 2012/05/17
    「国民性(価値観)」が経済だけでなく、地理的条件や歴史・文化によって規定されている
  • 「日本人」をカッコに入れる – 橘玲 公式BLOG

    新刊『(日人)』のなかから、冒頭部分を掲載します。 ********************************************************************* 『(日人)』は「かっこにっぽんじん」と読む。文字どおり、「日人」をカッコに入れてみようという意味だ。 私たちのまわりには、「日」と「日人」があふれている。過剰な「日」に溺れて、私たちは自分が何者で、世界がどんなところなのかを見失ってしまったのではないだろうか。 3.11東日大震災と福島第一原発事故のあと、マスメディアやインターネット上でさまざまなひとたちが「日」や「日人」について論じた。その論旨は、おおよそ次の一行で要約できる。 日の被災者は世界を感動させ、日政治は国民を絶望させた。 ここには二種類の、まったく異なる日人がいる。 津波で肉親を失い、原発事故で故郷を奪われても絆

    「日本人」をカッコに入れる – 橘玲 公式BLOG
  • ダイエットに成功すると仕事に失敗する? 週刊プレイボーイ連載(48) – 橘玲 公式BLOG

    「クッキーとダイコン」というちょっと意地悪な実験があります。 同じ部屋に、焼かれたばかりのおいしそうなチョコチップクッキーの皿と、千切りにしたダイコンの皿が置いてあります。「味覚の記憶についての研究」に協力を申し出た大学生を二つのグループに分け、半数はクッキーを、残りの半数にはダイコンをべるよう指示します。 クッキーはすごくいい匂いがしているのに、貧乏くじをひいた学生は、それを横目で見ながら不味いダイコンをかじらなければなりません。研究者はわざと部屋から出ていき、その気になればつまみいもできるのですが、「研究のため」といわれているのでガマンせざるを得ないのです。 次にこの大学生たちに、一筆書きで複雑な図形を描くというパズルをしてもらいます。このパズルはどうやっても解けないのですが、学生たちはそんなことは知らないので、あれこれ試行錯誤しながら必死に取り組みます。 じつはこの実験は、クッキ

    ダイエットに成功すると仕事に失敗する? 週刊プレイボーイ連載(48) – 橘玲 公式BLOG
  • 高校生のセックス相関図から幸福と不幸を考える – 橘玲 公式BLOG

    「 “モテキ”はなぜやってくるのか?」で“つながり”について書いたが、私たちはいったいどのようにつながっているのだろうか? ここでは、それを可視化してみよう。 以下の3枚の図版は、いずれもニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』に掲載されているものだ。 1枚目は、白人生徒が大半を占めるアメリカ中西部の中規模高校(仮名で「ジェファーソン高校」)のセックス相関図だ。 色の濃い点が男子、色の薄い点が女子で、複数の異性とつき合っている場合は2方向(もしくは3~4方向)に枝が伸びている。 これを見るとわかるように、枝の末端にいる生徒を除けば、すべての生徒が複数の異性と性関係を持っている。でもこれは、「アメリカの高校は風紀が乱れている」ということではない。 そもそもなぜ、社会学者がこのようなセックス相関図を描くことができたのだろうか? それはこ

    高校生のセックス相関図から幸福と不幸を考える – 橘玲 公式BLOG
  • 日本人は世界でいちばん仕事が嫌い – 橘玲 公式BLOG

    人の価値観を世界の国々と比較する「世界価値観調査」のことは以前も書いたが、鈴木賢志『日人の価値観』には、各種の価値観調査のなかから興味深いものがコンパクトにまとめられている。 ここではそのなかから2つ紹介しよう。 最初の表は、「たとえ余暇が減っても、常に仕事を第一に考えるべきだ」という意見に「強く賛成」とこたえたひとの割合だ。いわば、「世界仕事人間ランキング」である。 一目瞭然のように、日人は堂々の第一位だ。しかも、下から。 日人は、「余暇が減るんなら仕事なんかしたくない」と考えているひとの割合がきわめて高い。すなわち、「世界でいちばん仕事が嫌いな国民」なのだ。 ランキングを見ればわかるように、上位はほとんど発展途上国で占められている。彼らは、「働かなきゃ生きていけない(遊ぶことなんて考えてられない)」ひとたちであり、同時に、「働けば働くほどゆたかになれる」ひとたちでもあるのだろ

    日本人は世界でいちばん仕事が嫌い – 橘玲 公式BLOG
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