認知症になった家族が事件や事故を起こし、何百万、何千万という賠償請求が身に振りかかってくる。考えただけで恐ろしいが、そんな現実がそこまで迫っている。認知症700万人時代に備えよ。 加入したら必ず家族に報告 「先日、80歳になる母の家を訪ねたときのこと。焦げ臭いなと思って台所をのぞくとモクモクと煙が上がっていたんです。 慌てて駆け寄ると料理をしていたはずの母の姿がない。母は最近、『物忘れ』がひどくコンロに鍋をかけたことを完全に忘れていたのです。 もしあのまま火事になって、隣に燃え移っていたら、一体だれが責任を取ることになるのか、賠償金はどうするのか……。考えただけでもぞっとします」 こう語るのは山本雄二さん(58歳・仮名)だ。認知症を患った両親がなにをするかわからず、行動から目を離すことができない。 もし夜中に徘徊して、事故を起こしたらどうしよう、最近怒りっぽくなっているので、いきなり他人の