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ブックマーク / honz.jp (103)

  • 2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ

    2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめを紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽やかなエンターテイメントのように伝える著者の方たち、その裏側で悪戦苦闘を繰り広げていたであろう版元や翻訳者の皆さま。さらに読者へ届ける取次会社や書店員の皆さま、そしてHONZを愛してくださったすべての皆さま、当にありがとうございました。 サイトを閉じることになった理由に、明快なものは特にありません。こんなサイトがあったら

    2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ
    honeybe
    honeybe 2024/07/16
  • 『定年後に読む不滅の名著200選』読書三昧の定年後はステキだぞ! - HONZ

    定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書 1442) 作者: 文藝春秋編 出版社: 文藝春秋 発売日: 2024/3/19 読みは人がどんなを読んでいるかを気にする。同様に好きは、自分が読んでいない名著が気になって仕方がない。おそらくHONZの読者もそうだろうが、私はブックガイドと見れば直ちに購入してしまう。そして書は「定年後に読む」と名打っているのだ。 「人生100年時代」と言われ始めて、寿命が100歳前後まで伸びる話が現実味を帯びてきた。人生教育仕事・老後の3ステージで区切ってみると、平均寿命80年そこそこの時代は、教育20年、仕事40年、老後20年のスパンだった。 それが100年時代になると、老後が仕事と同じ何と40年まで延びてしまう。つまり、現役時代に匹敵する時間をどう過ごすかが、大きな課題となってきたのである。 私も24年教授を勤めた京都大学を3年前に定年となり、定

    『定年後に読む不滅の名著200選』読書三昧の定年後はステキだぞ! - HONZ
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    honeybe 2024/07/03
    定年後だと老眼と加齢による集中力低下でそんなに楽しめそうもない気がするアラフィフ独身限界おじさん
  • 『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ

    死の貝:日住血吸虫症との闘い (新潮文庫 こ 28-2) 作者: 小林 照幸 出版社: 新潮社; 文庫版 発売日: 2024/4/24 小林照幸『死の貝 日住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版されたが、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸のを”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化されたのも20年以上時間が経ってからだし、こんなに注目されることってある?と不思議になりました。どうして突然文庫化されたんですか? 小林 それは新潮社さんからご説明頂きましょうか。 編集部 もともと新潮社の営業部と未来屋書店で、月に一回、情報交換の定例会議をしています。そのなかで女性書店員さんが「そういえ

    『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ
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    honeybe 2024/07/01
  • 『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ

    「明鏡止水 武のKAMIWAZA」というNHKの番組をご存知だろうか。格闘家でもある俳優の岡田准一が司会を務め、武道各流派を率いる一流の武術家たちが集結し、真髄を語り秘儀を披露していく。録画をして繰り返し観るほど私の好きな番組だ。 『シャーロック・ホームズの護身術バリツ:英国紳士がたしなむ幻の武術』には技の説明のため120点を超える写真が掲載され、中には袴を穿く人物が登場している。動いている姿を見てみたいという欲望が沸き上がる。この番組で実演してくれないだろうか。 「バリツ」という格闘術が一般に有名になったのは、ひとえに〈名探偵シャーロック・ホームズ〉シリーズの「空き家の冒険」で、宿敵のモリアーティ教授の死闘を回想したこのシーンからだ。 ―崖っぷちから落ちかけたぼくたちは一瞬ふたりそろってよろめいたんだ。でもぼくは日の格闘術であるバリツを少々かじっていて、何度もそれに救われたことがあって

    『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ
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    honeybe 2024/06/23
  • 『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』今も1万人の遺骨が見つからない。日本政府に遺骨収集への考え方を問う - HONZ

    硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ 作者: 酒井 聡平 出版社: 講談社 発売日: 2023/7/27 太平洋戦争末期、小笠原諸島の硫黄島でアメリカ軍と栗林忠道陸軍中将率いる日軍の激戦があったことは、クリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』で若い人にまで広く知られている。 日軍兵士約2万3000人のうち戦死者は約2万2000人。だが1万人分の遺骨がいまもなお見つかっていないということを知っているだろうか。 著者の祖父は小笠原諸島父島の防衛に携わる部隊に居り、終戦後は衰弱した身体で帰還した、と著者は幼い頃より聞かされて育った。 北海道新聞の記者となってから、硫黄島で玉砕した戦没者の遺児で遺骨収集団に15回も参加している三浦孝治さんと出会う。 取材者として参加することは禁じられていた。だがすでに老齢に達していた三浦さんから聞く遺骨収集の過酷な現実に衝撃を受けた著者は参加を決意する。

    『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』今も1万人の遺骨が見つからない。日本政府に遺骨収集への考え方を問う - HONZ
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    honeybe 2024/05/17
  • 『宗教の起源──私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』 ダンバー数、エンドルフィン、共同体の結束 - HONZ

    ロビン・ダンバーは、彼が提唱した「ダンバー数」とともに、その名が広く知られている研究者である。ダンバー数とは、ヒトが安定的に社会的関係を築ける人数のことであり、具体的には約150と見積もられている。ダンバーは、霊長類各種の脳の大きさ(とくに新皮質の大きさ)と集団サイズの間に相関関係があることを見てとり、ヒトの平均的な集団サイズとしてその数をはじき出したのであった。 さて、そんなダンバーが書で新たな課題として取り組むのが、「宗教の起源」である。人類史において、宗教はどのようにして生まれ、どのように拡大を遂げていったのか。宗教に関する広範な知識に加えて、専門の人類学や心理学の知見も駆使しながら、ダンバーはその大きな謎に迫っていく。 ダンバーも言及しているように、現生人類の歴史のなかで、宗教は個人や社会に対していくつかの利益をもたらしてきたと考えられる。その代表的なものを5つ挙げるとすれば、(

    『宗教の起源──私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』 ダンバー数、エンドルフィン、共同体の結束 - HONZ
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    honeybe 2023/10/26
  • 『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ

    2022年度の新聞・通信社における女性記者の割合は男性の4分の1弱である(一般社団法人日新聞協会調べ)。放送業界は多少マシな気もするが、それでもメディアが圧倒的に男性中心であることは変わらない。現代ですらそんな体たらくなのだから、戦前なんて推して知るべし。女性記者(当時は「婦人記者」といった)は各社片手で数えられるほどしかいなかった。 婦人記者という新たな職業が生まれたのは、明治20年代だという。女性読者の増加に伴い、女性向けの記事が求められ、東京や大阪の有力新聞が女性を採用するようになった。 とはいえ、のっけから婦人記者が活躍できたわけではない。女性向けの記事といっても、アイロンのかけ方、シミの抜き方といった家政記事か、政治家や実業家のお宅に赴き、奥様方に普段の生活や子どもの教育法などについてインタビューする名流婦人訪問記などがメインだった。 「号外に 関係のない 婦人記者」と当時の川

    『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ
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    honeybe 2023/06/29
  • 『無人島のふたり』余命宣告された作家の最期の日々 - HONZ

    訃報はいつだって突然だ。著名人が亡くなると、生放送中のスタジオに報道の人間が原稿をもって駆け込んでくる。速報は一刻も早く放送するのが鉄則だが、そこに記された名前に驚き、思わず足が止まってしまうことがある。訃報にあらかじめ心の準備をしておくことなんてできない。誰かの死に慣れることはこの先もきっとないだろう。 山文緒さんが亡くなったという報せも突然だった。 2021年10月13日、膵臓がんのため死去。58歳だった。 山さんは前年、7年ぶりとなる長編小説『自転しながら公転する』を発表したばかりだった。地方のショッピングモールで働く32歳の女性を主人公にした同作はまぎれもない傑作だった。 NHKの『朝イチ』だったと思うが、軽井沢のご自宅で、キツツキが家の外壁に開けた穴をリポーターに見せたりしながらインタビューに答えていたのをおぼえている。その時の楽しそうな表情がとりわけ印象に残っているのは、山

    『無人島のふたり』余命宣告された作家の最期の日々 - HONZ
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    honeybe 2022/11/02
  • 『人は2000連休を与えられるとどうなるのか』前代未聞の実験の果てに辿り着いた場所とは……? - HONZ

    連休。なんと甘美な響きだろう。 ラジオの番組作りの仕事は面白いのだが、ネックは休みがとりづらいことかもしれない。先日のゴールデンウィークも、「最大10連休」なんてニュースで伝えながらまるで他人事だった。10日なんて贅沢は言わない。3日間でいいから続けて休んでみたい。 わずか3連休でも羨ましく感じるくらいだから、2000連休なんて桁が違いすぎて想像することすら難しい。著者は6年間にも及ぶ休み(正確には2190連休)を体験した。そこにあったのは巨大な空白だったという。これほどの空白を与えられると、いったい人はどうなってしまうのか。 一見、軽めのサブカルエッセイのようだが、とんでもない。書は世にも奇妙な人体実験の記録である。理系ということもあってか(京都大学工学部卒)、著者の言葉はきわめて精確で、曖昧な表現にとどまることがない。そうした解像度の高い言葉で、自身に生じた微細な変化が記録されている

    『人は2000連休を与えられるとどうなるのか』前代未聞の実験の果てに辿り着いた場所とは……? - HONZ
    honeybe
    honeybe 2022/06/10
    「著者は6年間にも及ぶ休み(正確には2190連休)を体験した」 / 6年間の無職期間の体験談的な?
  • 歴史の影で忘れ去られていた女性暗号解読者たちの活躍に光を当てるノンフィクション──『コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち』 - HONZ

    歴史の影で忘れ去られていた女性暗号解読者たちの活躍に光を当てるノンフィクション──『コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち』 近年、ロケットのための計算に明け暮れていた女性たちを描き出したノンフィクション『ロケットガールの誕生』や、ディズニー初期の女性アニメータたちの活躍を取り上げた『アニメーションの女王たち』など、歴史の影で見過ごされてきた女性たちの活躍を取り上げるノンフィクションが増えてきている。今回紹介したい『コード・ガールズ』も、第二次世界大戦中にアメリカ軍に所属し暗号解読に従事した女性たちの活躍を取り上げた、流れに連なる一冊だ。 第二次世界大戦時に暗号解読分野で女性が活躍していたという話は、書を読むまでまったく知らなかったが、実は1945年にはアメリカ陸軍の暗号解読部門1万500人のうち、約7000人、つまり70%ほどが女性だったし、海軍にも4000人もの女性暗号

    歴史の影で忘れ去られていた女性暗号解読者たちの活躍に光を当てるノンフィクション──『コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち』 - HONZ
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    honeybe 2021/08/06
  • やたらと人が殺される凶暴な時代『室町は今日もハードボイルド:日本中世のアナーキーな世界』に住んでみたいか? - HONZ

    やたらと人が殺される凶暴な時代『室町は今日もハードボイルド:日中世のアナーキーな世界』に住んでみたいか? アバウトにしてアナーキー。ざっくりまとめるとこうなるのだろうか。なんだかやたらと凶暴でハードボイルドな室町時代。日人は律儀で柔和などという言い方は絶対に通用しない。室町時代の後半は戦国時代だったから、というわけではない。武士たちだけでなく、農民や女性、僧侶までもがなんだか殺気立っているのだ。まずは『びわ湖無差別殺傷事件』から。 びわ湖がくびれていちばん細くなっているところ、琵琶湖大橋のかかっている西側に堅田という町があった。というか、今もある。そこに兵庫という名の青年がいた。“他の堅田の住人と同じく、周辺を通行する船から通行量をとったり、手広く水運業を行ったり、場合によっては海賊行為を働いたり“ と、とんでもない多角経営を営んでいた。湖なので、海賊ではなくて湖賊だが、まぁ、それはよ

    やたらと人が殺される凶暴な時代『室町は今日もハードボイルド:日本中世のアナーキーな世界』に住んでみたいか? - HONZ
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    honeybe 2021/06/27
  • 『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』「暗黒時代」という神話はなぜ生き残ってきたのか - HONZ

    「中世ヨーロッパ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。「疫病と飢饉」、「魔女狩り」、「異端審問」……。代表的なものを挙げたが、いずれにせよ、西ローマ帝国が滅んだ5世紀末からの約1000年間に明るく進歩的な印象を抱く人は少ないだろう。 だが著者は、そうしたネガティブなイメージはここ200年ほどの間に私たちに植え付けられた誤解だと説く。書には、中世に関する11の「フィクション」が登場する。多くの人は、どれも一度は耳にしたことがあるはずだ。 中世の人々は地球が平らだと思っていた。風呂にも入らず、暮らしは不潔で腐った肉も平気でべた。教会は科学を敵視し、今では誰も疑うことのない説も教会の権威によって迫害され続けた。何の罪もない女性たちが何万人も魔女として火あぶりにされた。 これらの説は、文化上構築された「中世」にすぎず、前世紀までに歴史学の専門家によって否定されている。だが、今でも大きな顔をして

    『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』「暗黒時代」という神話はなぜ生き残ってきたのか - HONZ
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    honeybe 2021/06/12
  • 『Spotify 新しいコンテンツ王国の誕生』敵だらけのスタートアップが世界を変えるまでの新たな道 - HONZ

    作者:スベン・カールソン ,ヨーナス・レイヨンフーフブッド 出版社:ダイヤモンド社 発売日:2020-06-18 今や巨人となったスタートアップ企業の成功譚ではあるのだが、不思議な読後感をもたらす一冊だ。世間知らずの大学生によるウェブサービスが世界中へ広がっていく爽快感もなければ、急成長に浮かれて失敗するお茶目さもない。例えるなら、人気ファンタジードラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の重厚なタイトルBGMが延々流れているような世界観。その通奏低音の中に、人を物語へ強く引き込む異質な磁力がある。 書には、音楽ストリーミング分野で世界最大の企業となった「Spotify(スポティファイ)」が北欧で産声を上げてから、世界中に「いつでも音楽を」提供するようになるまでの過程が描かれる。プロセスをユニークなものにしているのは、起点がスウェーデンであったこと、そして裾野の広い音楽業界が舞台である点だ。この

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    honeybe 2020/08/01
  • 『北斎になりすました女 葛飾応為伝』歴史の闇に隠れた鮮やかな生涯 - HONZ

    葛飾北斎は「為一」や「卍」など30以上画号を変え、90回以上も住居を変え(近所でぐるぐると回る説もあり)、描くテーマも浮世絵から漫画、さらに春画まであらゆるジャンルを描いてきた。私は北斎に強く影響を受けており、何より晩年作品の繊細さと完成度には、人の表現はここまで進化するのかと驚いた。 画家といえば、ピカソも長寿で多作である。その数は生涯14万点を超える。青の時代における絵画から、キュビズムまでその作品の多様性には北斎と共通する。ただ1人の人間から生み出されるエネルギーや力強さなどは一貫している印象があり、北斎の晩年におけるタッチの繊細さと、うすぼんやりとした心の闇を表すような暗さはない。実際に「富士越龍図」など絶筆の北斎作品を観ると、まるで別人格になったような違和感と魅力がある。 書は画家・葛飾北斎の娘に焦点をあてたものだ。当時は江戸ナンバーワンの人気絵師である北斎の元に、その絵の技術

    『北斎になりすました女 葛飾応為伝』歴史の闇に隠れた鮮やかな生涯 - HONZ
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    honeybe 2020/07/08
  • 『月下の犯罪』名門一族の秘められた罪をめぐる極私的ノンフィクション - HONZ

    「180人のユダヤ人を虐殺したのは、私の大叔母だったのだろうか…」 そんな帯の文句に惹かれて書を手に取った。 1945年3月24日の晩、オーストリア国境近くの村レヒニッツにあるバッチャーニ家の居城で、ナチとその軍属のためのパーティーが開かれていた。月が明るい晩だった。この時、駅には200人近いユダヤ人たちが立たされていた。彼らは対赤軍用の防護壁を築くためにハンガリーから連れてこられた強制労働者たちだった。 夜9時半、彼らはトラックに乗せられどこかへ運ばれた後、4人の突撃隊(SA)に引き渡された。SAはユダヤ人たちにショベルを渡すと、L字型の穴を掘るよう命じた。疲れ切ったユダヤ人たちが固い土を掘っている時、城の電話が鳴った。電話を受けた親衛隊上級曹長のフランツ・ポデツィンは「いまいましいブタどもめ」と吐き捨てると、部下にパーティーの参加者を連れてくるように命じた。そしてこう告げたのだ。「駅

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    honeybe 2019/09/10
  • 『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ

    具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」。 実際問題、日々の生活でそんな思いを抱いてしまう場面は少なくないだろう。失敗例がすでにいくつもあるのに、それでもまだ無理筋を通そうとする社内のプレゼンター。子育てのあり方をめぐって、何を言っても聞く耳を持ってくれないパートナーなど。また不思議なことに、たとえ高学歴の人であっても、「事実に説得されない」という点ではどうやらほかの人と変わらないようだ。 さて書は、冒頭の問いを切り口としながら、人が他人に対して及ぼす「影響力」について考えようとするものである。心理学と神経科学の知見を織り交ぜつつ、著者は早々に厳しい診断を下す。 多くの人が「こうすれば他人の考えや行動を変えることができる」と信じている方法が、実は間違っていた…。 数字や統

    『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ
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    honeybe 2019/09/02
  • 『売上を、減らそう。』 給与が同じなのに5時間も早く帰れる経営 - HONZ

    パソコンから顔をあげて、遠くをみつめてみる。そこにある景色は、2年後にはもうない。新しい社屋に移転するからだ。その頃は、働き方や価値観も変わっているのだろうか。でも…。その時、私の脳裏をシモーヌ・ヴェイユの言葉がよぎった。 「未来は、現在と同じ材料でできている」。だとしたら私は、「移転」というイベントを頼りにするのではなく、今この瞬間の小さな変化こそ大切にすべきなのかもしれない。未来は突然あらわれるのではなく、現在の延長線上にあるのだから。 さて、書『売上を減らそう。』は、1日100限定の飲店を営んでいる経営者が思いの丈を綴っただ。その日の分を売ったら閉店する、というモデル。そこから私は、大学で教科書として読んだ或るのことを思い出した。 そのとは『プロテスタンティズムの倫理と資主義の精神』である。私にとって、教科書はいつも冒頭部分の記憶が強い。飽き性なのである。このには“当

    『売上を、減らそう。』 給与が同じなのに5時間も早く帰れる経営 - HONZ
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    honeybe 2019/08/09
  • 何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ

    現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけることができるが、過去の医療の多くは現代の比ではなくに危険で、同時に無理解の上に成り立っていた! 書『世にも危険な医療の世界史』はそんな危険な医療史を、元素(水銀、ヒ素、金など)、植物と土(アヘン、タバコ、コカインなど)、器具(瀉血、ロボトミー、浣腸など)、動物(ヒル、人、セックスなど)、神秘的な力(電気、動物磁気、ローヤルタッチ)の五種に分類して、語り倒した一冊である。 実のところ、このは何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史を、簡潔にまとめたものだ。言うまでもなく、「最悪の治療法」は今後も生み出されるだろう。 単なる事例集にすぎないともいえるのだが、それでダレるということもなく、出てくる例があまりにもトンデモでひどいことをやっているのでなんじゃこりゃ! と笑って驚いているうちにあっという間に読み終わってしまう。たとえば、ペス

    何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ
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    honeybe 2019/04/25
  • 『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』を買ったのは、どういう人たちなのか? - HONZ

    作者:ハンス・ロスリング 翻訳:上杉 周作、関 美和 出版社:日経BP社 発売日:2019-01-11 今年は暦の関係から年末年始休暇が長かったため、休み明けの現実復帰が難しかった…という方も多いのではないでしょうか。出版市場の1月はちょっと停滞気味ですが、そんな中、ビジネス書売場は活気に満ちているようです。(ということは、多くの人がやる気に満ちてるということか…やる気が出てないの私だけ?) 新刊、ロングセラーがしのぎを削るビジネス書ジャンルに注目の新刊が登場しました。それが『FACTFULNESS』。発売と同時にメディアやSNSで取り上げられ、すでに大ブレイクの兆しを見せています。 『FACTFULUNESS』はすでにHONZでもレビューされ話題となっているので、内容の詳細はそちらに譲りましょう。簡単に説明すると、FACTFULUNESSとは「データや事実(ファクト)に基づいて、世界を読

    『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』を買ったのは、どういう人たちなのか? - HONZ
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    honeybe 2019/01/28
  • つまらない仕事を減らせ──『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』 - HONZ

    『小さなチーム、大きな仕事』の著者(というか会社)による最新作は、たくさん働いたって成果なんか上がらないしやめようぜ、休暇もいっぱいとろうぜ、という一労働者としては至極ありがたい思想を具体的なメソッドに落とし込んだ一冊である。 著者の一人デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンはRuby最大のWebフレームワークであるRuby on Railsの開発者であり、僕もRubyでWebアプリを書く時には開発でお世話になっている。その尊敬の気持ちもあって、彼らのは読むようにしているのだが、シンプルな原則、思想によって「会社」というものが設計されていて、新刊を読むたびに新たな発見がある。 今回も主張はとてもシンプルだ。たくさん働くのなんて効率が悪い、やめようぜ、というただそれだけの話である。でもそれだけのことが現代社会ではうまくいかない。仕事が積み重なっていることもあるし、価値観の問題のケースもある

    つまらない仕事を減らせ──『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』 - HONZ
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    honeybe 2019/01/26