書棚に置いておくべき本がある。人生のときどきに読み返したくなる本はもちろんだが、書棚の持ち主の問題意識やセンスを一瞬で感じ取れるような本もある。ボクにとって前者の究極は『ご冗談でしょう、ファインマンさん』であり、問題意識という意味での一冊はセバスチャン・サルガドの『Workers』だ。この軽いエッセイと重い写真集の2冊があれば、目の前に高い壁が見えてきても勇気を持つことができる。 もうひとつの自分のセンスを表現するための本を選ぶのはなかなか難しい。年齢を重ねるにつれ音楽やファッションなどの好みは変化することがあるし、それがかならずしも第3者からみてよいセンスだと思われないことも多いからだ。しかし「本好き」を自認する人たちに共通して受け入れられるであろうセンスの良い本を発見した。 著者はアートワークを担当する東信(あずままこと)と写真を担当する椎木俊介だ。2人は注文に合わせて花材を仕入れ、花
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