今回紹介するのは円堂都司昭『ディズニーの隣の風景 オンステージ化する日本』。テーマパーク、ゆるキャラ、YOSAKOI、聖地巡礼や街コンといった、最近巷を賑わせている話題について論じながら、『ディズニー化する社会』を書いた社会学者アラン・ブライマンが提唱する「パフォーマティブ労働」についても考察をしている。 「パフォーマティブ労働」とは、著者曰く「ショー的要素と自己啓発的要素の融合した」もので、これもやはり最近注目が集まっているディズニーランドにおける従業員の労働形態を指して呼んだもの。 社会評論的な視点でディズニーに言及したものとしては、速水健朗さんの『都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代』が記憶に新しいが、速水さんの本はもっぱら施設の方に着目しているのに対して、円堂さんのほうはむしろ労働者に目を向けているところが興味深い。これはむしろ荻上チキの『社会的な身体~