ビッグファイブをはじめとするパーソナリティ特性理論に関して「聞いたことがある」という人は少なくないだろう。では、採用・配置・育成・処遇といった人的資源管理(HRM)の実務で具体的にどのように活かせばいいのか。『ワークプレイス・パーソナリティ論 人的資源管理の新視角と実証』(東京大学出版会)を著した鈴木智之・名古屋大学経済学部経営学科准教授に訊いた。 パーソナリティとその企業における成果の関係がわかると、採用が変わる ――ビッグファイブ理論の五因子(「外向性」「協調性」「開放性」「勤勉性」「情緒安定性」)のうち仕事の成果と最も高い相関を示すのが勤勉性因子であるとか、GRIT研究では「興味の一貫性」と「努力の粘り強さ」の2因子が長期的成功を生み出すという報告があるそうですね。こうしたパーソナリティ研究を既に採用などに活かしている企業もあるのですか? 鈴木 あります。たとえばGoogleは採用す