「The World is My Oyster(世界はオレのアコヤガイ)」 少々耳慣れないフレーズかもしれないが、英語にこんな表現がある。元はシェークスピアの喜劇の一節で「この世は自分次第で自分の思い通りになる」という意味なのだが、今シーズンから東北楽天に入団したアンドリュー・ジョーンズも、今から17年前の秋はそう思っていたはずだ。 初めてメジャーリーグの舞台に立った1996年、ジョーンズはアトランタ・ブレーブスの一員としてワールドシリーズに出場。7番・左翼で第1戦のスタメンに抜てきされると、ニューヨーク・ヤンキースの20勝投手、アンディ・ペティットからいきなりレフトにアーチを架けた。19歳6カ月での一発は、ワールドシリーズ史上最年少記録。それだけでも衝撃的なのに、ジョーンズは続く第2打席もヤンキー・スタジアムの左中間に3ラン本塁打を叩き込み、「神童」ともてはやされた。 今年3月のワ