理化学研究所(理研)と京都大学は3日、神戸・ポートアイランドに整備中のスーパーコンピューター「富岳」を使った研究で、すでに利用されている2128種類の薬の中から、新型コロナウイルスの治療薬候補になる数十種類を選び出したと発表した。今後、新たな治療薬の発見が期待される。 チームは既存の薬について、ウイルスが増殖する際に使うタンパク質と安定的に結合し、増殖を抑えることができるかを推定した。先代の「京」では1年以上かかる計算を10日で終了。数千種類規模の薬を短期で計算するのは世界初という。 治療薬の候補には、抗寄生虫薬のニクロサミドなど、海外で臨床研究や治験が進む12種類が含まれていた。最も有効とされたのは国内製薬会社が開発した薬だった。上位には一般的な市販薬もあり、現段階ではいずれの品名も非公表という。 今後、新型コロナに関わる別のタンパク質についても8月中をめどに計算する予定。理研副プログラ