近年急速に情報が集まり、分析が進展し、理論的な解明がすすんでいる確率分布のひとつに「ベキ分布」があります。 従来はリスクについて考える際は、損害規模や発生確率は正規分布的に平均を考え、分散を考え、どの程度かと想定していました。しかし、地震や山火事や、株価の大暴落の災害や異常現象は、何らかの平均があり、それからの乖離を計る分散を見ることで予測できるものではないのではないか、という議論が出てきます。 その後の研究により、自然現象では地震の大きさと発生頻度、山火事の被害面積ごとの発生頻度など、経済現象では株価、為替などの市場価格の変動、社会現象では戦争の発生頻度と戦死者数などは正規分布とは明らかに異なる形、即ちベキ分布に従っていることが分かってきました。 まずは正規分布について説明します。 いわゆる確率的な分布と言われたら、ほとんどの人は右図のような釣鐘型の正規分布を思い浮かべることでしょう。正