出版不況下で独り勝ち、「涼宮ハルヒ」にみる角川の成長モデル 講談社が76億円、小学館は63億円と2008年度営業損益で大手出版社は赤字に転落した。2009年度はさらに赤字が拡大すると囁かれるなか、角川グループホールディングスの営業利益は2008年度の35億円から2009年度には50億円に拡大するとみられ、独走が続く。 出版業界は長期低落傾向の中で広告の減少、返品率の上昇と、雑誌で書籍の赤字を埋めるという大手のビジネスモデルは完全に崩壊した。 一方の角川は出版の粗利の6割を文庫が稼ぎ、その中の6割をライトノベルが稼ぎ出し出版部門の利益に大きく寄与しているという特徴がある。角川は1988年に「角川スニーカー文庫」でライトノベルに進出し、当たり外れのない作品群とシリーズ巻数が多く販売部数を予測しやすいという特徴がある。書店ごとの配本数を角川が指定する「指定配本」制度によって返品率を業界平均より8