原発再稼働を推し進めようとするエネルギー基本計画が11日、閣議決定された。東京電力福島第1原発事故を引き起こした東日本大震災から、ちょうど3年1カ月。事故で放射性物質を浴びた地域は広範囲に及んでおり、後遺症に苦しむ住民は「政府は私たちを忘れたのか」と怒りの声を上げた。 【政府・与党、今夏にも原発再稼働へとかじ】 原発事故で平均的な空間放射線量が毎時0.23マイクロシーベルト以上となり、国の財政支援で自治体が除染にあたる「汚染状況重点調査地域」は最大で8県(岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉)の104市町村に上った。 福島第1原発から100キロ以上離れた栃木県鹿沼市のシイタケ農家で、出荷制限を受けている岩本文雄さん(72)は「原発事故によって人生を狂わされた」と語気を強める。昨年、四国からシイタケの原木を取り寄せて生産を再開したが、卸先は既に他の農家と取引している。今後、再開