「公共圏」とは何なのかを明らかにし、今後の可能性を模索する対談、第3回。いよいよ話はオンライン上に立ち現れる新たな公共圏がテーマとなっていきます。これから目指すべきオンラインコミュニティのお手本は、じつは1980年代後半から1990年代にかけて隆盛を誇った「パソコン通信」にありました。自身もパソコン通信を運営していたという社会情報学者の吉田純先生が、当時を振り返りつつ現代の状況に焦点をあて解説します。 インターネット前夜、「パソコン通信」があった 吉田純(よしだ・じゅん) 京都大学大学院人間・環境学研究科教授。京都大学教育学部卒業。文学博士(京都大学)。専攻は、社会学、社会情報学。「情報化」「ネットワーク 化」を軸とする現代社会のマクロな構造変動と、ミクロな人間の行為/コミュニケーションの変容との関係について研究。現在とくに、インターネット 社会における「公共性」(コミュニケーション空間と