数学への不安は「数える」という簡単な行為にも悪影響を及ぼしていることが多いということが明らかになったそうだ(本家記事)。 カナダのウォータールー大学で行われたこの研究では、被験者に白い画面上に提示される1~9個までの黒の四角形を数えさせたとのこと。回答までに時間制限はなかった。提示される数が4~9個の範囲(「数える」数であるcounting range)では数学不安を持つ者の方が回答までの時間が長く、また正確さも劣るという結果になったという。 なお、個数が1~4個の範囲(即座に認知できるsubitizing range)の場合は数学不安を持つ者とそうでない者の間に能力の差はみられなかったという。 ちなみに、基礎的な数学能力が劣る場合、雇用や読字能力にも悪影響がみられることが多いそうだ。
もっちりと詰まった食感が特徴のベーグル。欧米では単に焼いて食べたり、サンドイッチにしたりとメジャーなパンですが、数学好きが位相幾何学を利用してベーグルをカットするとこのようになる、という見本です。 詳細は以下。 Mathematically Correct Breakfast -- Mobius Sliced Linked Bagel これはニューヨーク州立大学のコンピューターサイエンス学科の教授、ジョージ・ハート氏が公開しているもの。授業の一環として学生にやらせてみたところ、大変好評だったとのことです。 X軸上で最もZ座標が大きくなる点をA、小さくなる点をC。Y軸上かつベーグル上でY座標がもっとも原点と近くなる点をB、Bの反対側かつ遠くなる点をDとします。 それぞれの点を用いて補助線を引きましょう。 ABCDの各点を通ってぐるっと一周する線を描きます。 赤の線は黒の線をZ軸で180度回転
フリーセル解決手順のプログラムによる探索実行結果 フリーセル百万種類のゲーム全てに対してサンプルプログラムを実行したところ、おそらく勝てないと言われている 11982、146692、186216、455889、495505、512118、517776、781948 以外のゲームでは勝つことができました。 百万種類のゲームの中で 57148、563096 の二つはコンピュータにとって勝つのが難しい性質を持っています。非常に長い堂々巡りの手順が現れ、およそ四百万局面ぐらいの同一局面判定ができなければ勝てません。また最初の一枚をホームセルへ置くまでの手数が長いので、先読みを長くしなければ勝ち手順を見つけることができないのです。この二つのゲームに勝つために、最大手数を 8,192 (freecell.h : MAX_SEARCH_DEPTH)、同一局面判定上限を 4,194,304 局面 (mov
数学者・黒川信重さんと、ぼくとの共著、『リーマン予想は解決するのか?』青土社、がそろそろ書店に並び始めてる頃だと思う。これは、フェルマー予想が解決し、ポアンカレ予想が解決してしまった今、最も解決が待望され、しかも、解決にかなり肉薄している予想だ。この予想について、「そもそもリーマン予想とは何か」、「どんな意義を持っているのか」、「攻略のための最強兵器、F1スキームとは何か」、「今、何合目まで来ているのか」、を縦横無尽に解説した、ものすごくホットな本なのである。 リーマン予想は解決するのか? ―絶対数学の戦略― 作者: 黒川信重,小島寛之出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/06/01メディア: 単行本購入: 31人 クリック: 614回この商品を含むブログ (26件) を見るこの本の特徴は、数学書としては異色の形式をしている、ということだ。最初の章に、黒川さんとぼくとの対談が二本載
Project ITADACI 算術符号化法における復号プログラムの動作試験及び 適応的アルゴリズムの性能評価実験と動作特性の測定 Project ITADACI (長野大学産業社会学部産業情報学科) 概要: 著名な圧縮アルゴリズムである算術符号化法における静的方法と適応的方法の概念及び動作原理を紹介する。また、これまでの研究を引き継ぎ、復号プログラムの動作試験を行った。そして、双方の圧縮効果の差違を確認する為に行った比較実験及び適応的方法における出現確率の遷移を確認する為に行った動作実験について、それらの結果を報告し考察する。 INDEX 0. 始めに 1. 情報の圧縮 1.1 圧縮手段の概要 1.1.1 可逆圧縮と非可逆圧縮 1.1.2 符号化の手順 1.1.2.1 モデル化 1.1.2.2 符号化 1.1.3 静的方法と動的方法 1.1.4 適応的方法(adapt
普通の指将棋、詰将棋において、双方連続王手の千日手は起こりえない。これは将棋指しの間でも余り知られていないが、(詰将棋作家には常識かも知れないが)そのように駒を配置するのが不可能だからだ。 これはさすがに誰かが証明をしているだろう、と思ったのだが、探してみたけど見つからなかった。丸一日考えたのだが、証明は簡単ではなさそうだ。以下では私の考えた証明を書いておく。 まず、将棋において王手するための方法は、 A) 駒を打っての王手 B) 王以外の駒を移動させての王手 C) 王を移動させて、王によって影になっていた遠方まで利く駒(香、角、飛)による王手 の3通りである。 以下では、簡便のため香も含めて、「大駒」と表記する。 双方連続王手ということは直前にも敵から王手されているわけで、直前の手も敵からのA),B),C)のいずれかである。直前のA),B),C)を、こちらがA),B),C)のいずれかの手
「しりとり」は経験者人口が極めて多いゲームだけど、鬼神のごとき強さで他を圧倒するしりとりプレイヤーを私は知らない。ちょっと真剣に戦ってみたところで、 そんな程度のレベルで満足していやしないか。 さいしょは「る」の同字返しでガッチリ組み合う。先に「る→る」のストックが切れて、「る」で返せなくなったほうがひたすら「る攻め」で投げられ続ける。 小学生の時から進歩していないような、こんな大雑把でマンネリな「る攻め」戦略から脱却できないものか。 攻撃防御比最大の最強文字「る」 復習。周知の事実だが「る」は強い。 下の表は、[A](文字Xで終わる単語)と、[B](文字Xではじまる単語)をその比[A/B]の高いものから順にリストしたものである。標本の単語数は20万語であり豚辞書から、伸ばし棒をトリムした上で抽出した。*1 文字X[A]Xで終わる単語[B]Xで始まる単語[A/B] 1位る43235208.
今週末に、数学者の黒川信重先生と二度目の対談をする。 一度目は、数学のフィロソフィー - hiroyukikojimaの日記で書いた通り、雑誌『現代思想』での数論の特集号でだった。今回は、雑誌ではなく、書籍を作ろうという企画である。リーマン予想誕生150周年を記念した本の予定なのであるが、黒川先生は、リーマン予想解決の直前本になるだろう、と驚くべきことを言っている。まあ、黒川先生も加藤和也先生も、かなりおちゃめな人なので、発言についてはジョーク部分をだいぶ割り引いて受けとらなくてはならないだろう。 黒川先生が、リーマン予想解決の鍵になるであろう、といっている「1元体(F1)上の数学」というのが、今回の対談の話題の中心となると思うので、ほんのちびっとだけは話について行きたい、という思いから、その要となる「スキーム理論」の入り口のところを勉強してみた。スキームというのは、「代数幾何学」という分
こういう問題を思いついた。 次に言う言葉がもうない場合、最後に「ん」がついた場合にしりとりが終了するとして、ある辞書に登録された単語のみを使ってしりとりをするとしよう。もっとも長いしりとり連鎖の回数(とその連鎖のリスト)を出力するアルゴリズムを考えよ。 twitter/satomilogy ある辞書に登録された単語に限定してしりとりを行うとどうなるんだろうと考えた。まずしりとりはちゃんと終わるだろうか。有限の単語数の辞書なんだから必ず終わる。「ん」がついても終わる。では、ある辞書の中でどれくらい長くしりとりを続けることができるのだろうか、というのがこの問題です。可能なしりとり連鎖の組み合わせを総当りで求めて、その中から最長のものを選ぶというアルゴリズムはすぐに思いつきましたけど、おもしろくないですね。 問題を単純化してみてわかったこと 実際の国語辞典を使ってやる場合には、しりとりのローカル
コンピュータ囲碁の世界でモンテカルロ法という確率的な手法が成功を収めていることは前も書いたが、今号の情報処理学会誌に「プロ棋士対コンピュータ:FIT2008における囲碁対局報告」と題して村松正和さんが記事を書かれており、最近の様子が(棋譜付きで)書かれているのでおもしろかった。 結論から言うとプロ棋士(4段)に8子置いて勝った(実力的にはアマ2-3段程度)というけっこうすごい話で、自分ではもう平手では勝てないところまで来てしまったのかなぁ、という感じ(自分はアマ2級くらいだった)。ここで使われた Crazy Stone というプログラムは第1回 UEC 杯コンピュータ囲碁大会(2007年12月開催)で優勝したプログラムである。 モンテカルロ囲碁の特徴について同記事でいくつか書かれている(pp.70-71)ので引用すると、 Crazy Stone も含め,モンテカルロ囲碁の打ち方には非常に特
はじめに ニコリなどによる 様々なパズルを Sugar制約ソルバー (A SAT-based Constraint Solver)で解いてみます. 数独(Sudoku)パズルをSugar制約ソルバーで解く カックロ(Kakuro, Cross Sums)パズルをSugar制約ソルバーで解く 美術館(Akari, Light Up)パズルをSugar制約ソルバーで解く 四角に切れ(Shiaku)パズルをSugar制約ソルバーで解く ナンバーリンク(Number Link)パズルをSugar制約ソルバーで解く ましゅ(Masyu)パズルをSugar制約ソルバーで解く スリザーリンク(Slitherlink)パズルをSugar制約ソルバーで解く 橋をかけろ(Hashiwokakero)パズルをSugar制約ソルバーで解く (一部作成中) ヤジリン(Yajilin)パズルをSugar制約ソルバーで
前置き CiNii - ぷよぷよはNP完全 はてなブックマーク - CiNii - ぷよぷよはNP完全 全て頭に一般化が付きます. 色々結果はありますが, 問題の定式化によって当然難しさが変わりますのでご注意を. 定義は元論文を見て確認してください. 2人ゲーム オセロ PSPACE完全 (岩田, 笠井 1994) 将棋 EXPTIME完全 (安達, 亀川, 岩田 1987) 囲碁 EXPTIME完全 チェッカー EXPTIME完全 (Robson 1984) チェス EXPTIME完全 一般化しりとり PSPACE完全 マスターマインド NP完全 (de Bondt 2004, Stuckman and Zhang 2005) 一般化アマゾン PSPACE完全 (清見, 宇野 2005) シャノンのスイッチングゲーム PSPACE完全 1人ゲーム 一般化詰め将棋 EXPTIME完全 (横
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