■依頼者とトラブル/経営不安/守秘義務の壁 依頼者とのトラブルや事務所経営の不安を抱える弁護士らを対象に、大阪弁護士会は、臨床心理士が電話相談に応じる「メンタルヘルス相談」に乗り出した。全国の弁護士会で初めての試み。現代社会の特徴といえるストレス過多は法曹界も例外ではなく、鬱病を発症したり、自殺を考えたりする弁護士も目立つという。悩める“法律のプロ”に対する「心のケア」の取り組みが注目される。 「弁護士の仕事は好きだが、経営には向いていなかった。仕事がなくならないか不安で、抱えきれない依頼を引き受けてしまった」 仕事のストレスなどから鬱病を発症した大阪弁護士会所属の40代の男性弁護士が、同期の弁護士に漏らした言葉だ。 男性弁護士は主に債務整理を手掛け、熱心な仕事ぶりで知られたが、100件以上の案件を抱え込んだまま出勤できなくなった。今年3月、着手金などを適切に顧客に返さなかったとし