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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (12)

  • 1コマの意味

    昨日で後期の授業が終わりました。これから,冬・春休みです。まあ私の場合,年中休みのようなものですが,ブログを書いたり,新刊の構想をしたりして過ごそうかな,と思っています。家に篭りっぱなしというのは精神衛生上よくないので,週1のペースで国会図書館や統計図書館通いもしようかと。 さて私は大学の非常勤講師をしているのですが,編集者さんとの会合の席で「ぶっちゃけ,大学の講師の給料ってどれくらいなんですか?」と聞かれることがあります。普通のリーマンなら月収額を答えるのでしょうが,非常勤講師の給与は受け持った授業数(コマ数)の関数ですので,「1コマ**円」と答えるのが慣例です。 そこで私は指を3立てて,「1コマ3万ってとこが相場です」と答えます。しかし,この意味を勘違い(誤解)なさる方が多い。これを聞いた,ある若い編集者さんは,少し興奮した様子でまくし立てました。 「へえ,1回の授業が3万ってことで

    houyhnhm
    houyhnhm 2017/03/05
    会社で受けるとすると倍付けでも無理ですなあ。
  • やりがいによる搾取

    「保育所に落ちたの私だ!」という掛け声のもと,国会前でデモが行われたようですが,ツイッター上では「保育士を辞めたの私だ!」という主張が次々に投稿されています。 保育所不足と保育士の待遇の悪さの問題ですが,両者がリンクしているのは,誰もが知っていること。保育士が集まらないから,保育所ができない(増やせない)。保育士の給与については,厚労省『賃金構造基統計』のデータで明らかにしたことがありますが,東京都の保育士実態調査に,より細かいデータがありましたので,それを使ってグラフをつくってみました。 2013年の夏に,都内で就業している保育士に年収を尋ねた結果です。正規職員,有期フルタイム,有期パートという就業地位別の分布が明らかにされています。これら3群の量的規模も分かる,モザイク図にしてみました。

    やりがいによる搾取
    houyhnhm
    houyhnhm 2016/03/06
    ウチの嫁障害者就労支援みたいなのだけど、呪われた賃金構成で発狂しそうだよ。
  • オトコが結婚するのに「収入」がモノをいう社会

    長ったらしいタイトルになりましたが,今回の記事で明らかにしたいことです。女性が結婚相手の男性に求める一番の条件は,ズバリ「収入」でしょう。 これは,女性たちの依存気質への批判につなげるべきではなく,男女の給与格差が大きいこと,女性にすれば結婚・出産が,バリバリ働くことを妨げる足かせになること,という現実と関連して考えるべきです。 こういうわけから,男性にあっては,収入と未婚率(既婚率)は強く相関しています。それはブログでも繰り返し明らかにしました。最近のものでは,ニューズウィークに寄稿した記事のグラフがありますので,興味ある方はご覧ください。下記記事の2つ目のグラフです。 http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/09/post-3882.php しかるに,これは日の現実です。どの国でも,男性の収入と結婚チャンスは関連しているで

    オトコが結婚するのに「収入」がモノをいう社会
    houyhnhm
    houyhnhm 2016/03/04
    と、思ってたけど、単に今の時代他がどうでも良くなってる感があるようで。
  • 奨学金タイプの国際比較

    今日のお昼に,面白いツイートを見つけました。大学教育への公的支出のうち,奨学金が何%を占めるかの国際データです。 https://twitter.com/kabutoyama_taro/status/670377662485917696 注目されるのは,割合がナンボよりも,奨学金のメインが給付型か貸与型かです。日は大半が貸与型。国際標準から大きくずれています。 このツイートはすごく拡散しているようですが,「これはおかしいだろ」と誰もが日ごろ感じていることが,データではっきりと可視化されているからでしょう。私もこれを見たときは,「やはり」と膝をたたきました。 グラフのデータの出典は,OECD『図表でみる教育2014年版』となっています。OECDの教育白書『Education at a Glance 2014』の和訳です。私はもっと多くの国のデータも見たいと思い,原資料に当たってみました。下

    奨学金タイプの国際比較
    houyhnhm
    houyhnhm 2016/01/28
    アイスランドとか、他英連邦とかが軒並み高めに見えるのは何でだろうなあ・・・・・・私立大学の割合とかも見てみたい。
  • 年末のプチ・トラブル

    「**という雑誌でも三世代同居についての提言を行うことになり,その記事の中でも,欧州の先進国では三世代同居は数%だということで,各国の数字も使用させて頂く予定です。舞田先生が作られた各国の数値一覧は,スペースの都合で使用できず,お名前などは入れられず申し訳ないのですが,先生のツイッターからヒントを得ていることを事前にご連絡しておきたいと思いました」。 私がカチンときたのは,赤字の文言です。私の意向も聞かずに,「使用させていただく予定です」と決めつけています。また,私が『世界価値観調査』(以下,WVS)のローデータから労力をかけて計算した著作物であるにもかかわらず,クレジットは記入しない,と言ってきています。こんな書き方をして,相手が怒るとは思わないのでしょうか。 出典のWVSサイトにも当たった,とありましたので,自分が調べた数値として使いたい,ということなのでしょう。しかし,出典はWVSサ

  • 大学生の組成図

    2013年5月時点でみて,日の大学学部学生は256万人ほどですが,その組成はどうなっているのでしょう。設置主体でバラしてみると,国立が17.5%,公立が5.0%,私立が77.6%という構成です(「学校基調査」)。 高等教育が私学依存型のわが国では,このように大学生の8割近くを私大が占めるのですが,その中身は決して一様ではありません。伝統ある一流大学と,いわゆるFラン大学では,学生の意識や行動に大きな違いがあることは誰もが知っています。 今回は,量的に多数を占める私大生の「中身」も分かる,大学生の組成図をつくってみようと思います。国公私という大雑把な区分では,「私」の領分が甚だ大きくなりますが,このゾーンを偏差値で塗り分けた図です。 私は,学研教育出版の「大学受験案内2015年度用」という資料を使って,全国の私立大学の学部の偏差値を調べました。下図は,資料から明らかにした,566私立大

    大学生の組成図
    houyhnhm
    houyhnhm 2015/05/04
    偏差値60台って大したことないと思ってたがそうでもないのか。
  • 図書館職員の非正規化(ジェンダー差)

    前々回は,公共図書館の職員に占める非常勤職員の比重が殊に高まっていることを明らかにしました。1990年では12.9%でしたが,2011年では54.8%です。 ところで,「臨時」の名札をつけている職員さんはほとんどが女性,という印象を持ちます。もしかすると,先の記事でみた図書館職員の非正規化は,もっぱら女性によって担われているのかもしれません。今回は,ジェンダーという視点を分析に組み入れてみようと思います。 まずは,性別・従業上の地位別の職員数が,ここ10年ほどでどう変わったのかをみてみましょう。下表は,1999年と2011年の数値を比較したものです。指定管理業者の職員は除きます。資料は,文科省の『社会教育調査』です。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa02/shakai/index.htm 今世紀の初頭にかけて,公共図書館の職員は24,84

    図書館職員の非正規化(ジェンダー差)
    houyhnhm
    houyhnhm 2014/04/07
    うーん、そもそも、男性の司書というのは少ない筈なので、図書館職員の中で司書に限定したりであるとかそういう分析しないと的が外れる感じだよねえ。/女子短大の司書が大変お安く市場に余っている状況な気がする。
  • 貧困と学力の相関(都内23区)

    貧困と学力の相関。最近の教育界でよくいわれるフレーズですが,個々人の体験や印象論によるものが多く,実証データというのは意外に少ないように思います。 今回は,大都市・東京の特別区部(23区)の統計を使って,この現象を「見える化」してみましょう。 まずは,各区の子どもの貧困度を可視化する作業からです。よく使われる指標は,いわゆる相対的貧困率(所得が中央値の半分に満たない世帯の割合)ですが,これを地域別に出すことはできません。ここでは,教育扶助を受けている世帯の率を計算してみます。 教育扶助とは生活保護の一種であり,学齢の子がいる保護者に対してなされる援助です。この扶助を受けている世帯が多い区ほど,子どもの貧困度が高いという見方をとります。 東京都の『福祉・衛生統計年報』という資料に,都内の地域別の教育扶助受給世帯数が掲載されています。2012年度の資料によると,足立区の教育扶助受給世帯数は1,

    貧困と学力の相関(都内23区)
    houyhnhm
    houyhnhm 2014/03/17
    私学とかの配置も分かんないので良くわからない。
  • 一人親世帯の子どもの貧困率

    ある社会の中で,貧困状態にある者の量を測る指標として,貧困率というものがあります。所得が,全体の中央値の半分に満たない者がどれほどいるかです。通常,世帯を単位として計算されます。 この貧困率を,一人親世帯の子どもについて出すと,わが国の特異性が見出されます。18歳未満の子どもがいる一人親世帯のうち,所得が上記の基準に満たない世帯がどれほど存在するかですが,以下では子どもの貧困率ということにします。 私は,OECDの“Family Database”にあたって,2008年の国別数値を収集しました。下記サイトのCO2.2の表です。原資料では,親が働いていない世帯と働いている世帯に分けて貧困率が掲載されています。下表は,それを整理したものです。 http://www.oecd.org/social/soc/oecdfamilydatabase.htm 最下段のOECD平均をみると,親が働いていな

    一人親世帯の子どもの貧困率
    houyhnhm
    houyhnhm 2014/02/04
    ↓ちょっと意味が違っていて、「子ども支援にしか福利厚生が使われない」という歪みも発生しているという事。自然、被服とか衣食が怪しくなりがち。
  • 偏差値群別の学部の退学率分布

    最近,一般入試で学生を多く入れている学部ほど正規就職率が高いとか,早い段階からゼミを必修にしている学部は退学率が低いとかいう記事をよく見かけます。それだけ,大学の「教育効果」というものに関心が集まっているのでしょう。 しかるに,この手の議論をする際,まずもって統制(control)すべき変数があります。それは入試難易度です。このような①インプット要因を揃えた上で,教育実践の有様(②スループット)と就職率なり無業率なりの③アウトプットの関連を追求する必要があります。 私もこういう分析をしたいと思い,現在独自のデータベースをつくっているところですが,①と③のデータ入力作業がだいたい終わりました。ここにて,両者の関連の一端をご覧に入れましょう。中抜けになりますが,後ほど②も加えた精緻な分析を行うための足がかりにしたいと思います。 読売新聞教育部『大学の実力2014』(中央公論新社)から,全国の大

    偏差値群別の学部の退学率分布
    houyhnhm
    houyhnhm 2013/10/19
    逆に言えば、なぜ分散してるのかとか、そもそも退学率ってなんだっけとか考えるとなー。ここに、家庭の収入とかぶち込んでみたい。
  • 専攻別にみた博士課程修了生の惨状(補正)

    8月30日の記事では,大学院博士課程修了生の無業者率,死亡・進路不明率を細かい専攻ごとに出したのですが,この記事をみてくださる方が多いようです。 いただいたコメントやツイッター上でのつぶやきを拝見したところ,上記記事の分析には,いくつかの不備があることに気づきました。また,不適切な解釈もあります。今回は,その補正をしようと思います。 文科省の『学校基調査』では,博士課程修了生(単位取得退学者含む)の進路状況が調査されています。そこにて設けられている進路カテゴリーは,以下のようです。8月30日の記事でも紹介しましたが,重複を厭わず再掲いたします。 ①:進学 ②:正規就職 ③:非正規就職 ④:臨床研修医 ⑤:専修学校・外国の学校等入学 ⑥:一時的な仕事 ⑦:左記以外の者 ⑧:死亡・進路不明 先の記事では,無業者率(⑥~⑧の者の比率)と進路・死亡不明率(⑧の者の比率)を計算したのですが,後者が

    専攻別にみた博士課程修了生の惨状(補正)
    houyhnhm
    houyhnhm 2013/03/19
    ポスドク・期間雇用が存在する以上、無職は発生する。暇な間に企業就職とかないしね。
  • 教員の精神疾患①

    以前,5回にわたって,教員の離職率に関する記事を書きました。離職率は,教員の脱学校兆候や職場不適応の多寡を測る指標として設定したものです。今回は,教員という仕事のキツさ,大変さの程度を測ってみようと思います。教職受難といわれる現在,この側面にも目を向けることが必要かと思います。 文科省の統計から,精神疾患で休職した教員の率を知ることができます。5月7日の記事で,この指標の悪口を並べ立てたのですが,文科省のサイトや『教育委員会月報』を丹念にみてみると,精神疾患による休職者数についても,細かい属性別に明らかにされていることを知りました。また,1980年代半ば辺りまでさかのぼって,休職者の率を出せることも分かりました。今回と次回にかけて,精神疾患による教員の休職率を分析してみようと思います。 文科省のサイトの統計によると,2009年度間において,精神疾患で休職した公立学校(小学校,中学校,高等学

    教員の精神疾患①
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