駒場東大前の住宅街に、作家や本好きが通うカフェ『BUNDAN COFFEE & BEER(ブンダン コーヒー アンド ビア)』はある。店内にはマニア垂涎の稀少本や日本文学史を彩る名作が、天井に届きそうなほど高い本棚にずらりと陳列されている。メニューを開くとこんな文章が飛び込む。 「レバーパテトーストサンドイッチ」……1928年(昭和3年)の11月から大阪毎日新聞と東京日日新聞に連載された谷崎潤一郎の小説『蓼食う虫』。その中に登場する主人公の一人である美佐子が、夫と子どもを置いて家を出ることを決めた場面で作っていたのがトーストサンドイッチです。縦に二つに切った酢漬けの胡瓜を細かに刻み、ソーセージと一緒にパンにはさんで作ったというトーストサンドイッチをBUNDAN風にアレンジ。トーストはブーランジェリー『シニフィアン・シニフィエ』の「パン・ド・ミ」を使用しました。クラムのしっとりとした味わいを