写真は印南敦史氏 私は読書家というほどではないが、本を書いたり書評を書くことがあるので比較的読むほうではないかと思う。また本を読む人にはそれぞれのスタイルがある。 印南敦史(以下、印南)は、「ライフハッカー[日本版]」「NewsWeek日本版」などのニュースサイトに、月60本近くのブックレビュー記事を寄稿し、年間700冊以上の読書量を誇る人気書評家である。 そんな彼も、数年前までは、1ページを読むのに5分以上もかかるほどの遅読家だったという。『遅読家のための読書術―情報洪水でも疲れない』(ダイヤモンド社)には、遅読家だった印南が書評を書くことからつかんだ読書術が審らかに語られている。今回は、その読書術を探索したい。 ●「本を読むのが遅い」と感じている人は意外に多い 数年前にフォトリーディングという、速読術がブームになったことがある。フォトリーディンとは、アメリカのポール・R・シーリィによっ