SAFETY JAPAN ではこれまで、新型インフルエンザに関する本を何冊か紹介してきたが、今回、その多くの本を著してきた岡田晴恵氏に直接、インタビューを試みた。 国立感染症研究所研究員である岡田氏は、新型インフルエンザに関する最新の、詳細な専門情報に触れてきたことで、H5N1型という“敵”の恐ろしさを実感するとともに、人間が採るべき対策を模索し続けている。今、日本で、まず採るべき対策は、一刻も早く、計画的なプレパンデミックワクチンの備蓄に着手することだ、というのが同氏の主張だ。 聞き手・文/松浦 晋也 2008年5月16日 岡田氏はインタビューの席でわたしの前ではなく、斜め前の席に座った。 岡田:なぜわたしがここに座ったか分かりますか。 ――いえ、なぜでしょうか。 岡田:あなたの目の前に、新型インフルエンザを発症したわたしが座ったとします。すると、あなたはほぼ確実に感染します