祇園情緒のある花見小路の角に「一力亭」があります。祇園の中でも最も由緒のある「お茶屋」のひとつで、大石内蔵助が豪遊したとか、近藤勇や大久保利通、西郷隆盛も通ったとかという話を聞いたことがありますね。 「お茶屋」とは、芸妓さん舞妓さんのいるお座敷で、お酒を飲んだり食事をしたり、お座敷遊びをしたり、歌舞音曲を楽しんだりするところとされています。ここでは「一見さん」お断りですが、その中でも、この「一力亭」は、とくに格式が高いところとして知られています。 九月も終りのある夕べに、ある方の紹介をいただいて、ここ「一力亭」の座敷で、芸妓さんや舞妓さんに酌をしてもらって酒を飲み、京料理を堪能しながら、会話を楽しみ、京舞を鑑賞しました。料理を仲居さんでなく、芸妓さんや舞妓さんが運んでくるのにちょっと驚きました。その料理はお茶屋で作るのではなく、「仕出屋」が作り、タイミングを見計らって、一品一品お茶屋に届け