(英エコノミスト誌 2015年1月31日号) 急進左派連合の勝利は、ギリシャのユーロ圏離脱を招く恐れがあるが、ユーロのより良い未来につながるはずだ。 5年あまり前の地獄のようなユーロ危機は、まさにギリシャから始まった。だから、ギリシャが今、大詰めが演じられるであろう舞台となっているのは、古典的な意味でふさわしいことだ。 最終幕のお膳立てをしたのは、1月25日のギリシャ総選挙でアレクシス・チプラス氏率いるポピュリスト政党の急進左派連合(SYRIZA)が演じた大勝劇だ。 チプラス氏は、ギリシャの債務の大幅削減を求め、公共支出の大盤振る舞いを公約に掲げることで、欧州の単一通貨にかつてない重大な挑戦状を突き付けている。それはすなわち、欧州に緊縮の道を敷いたドイツのアンゲラ・メルケル首相にとっても最大の挑戦状と言える。 賭け金は高い。チプラス氏を含め、誰もがギリシャのユーロ圏残留を望むと主張している