「へえ、不思議なことがあるもんだ」 ぼくがおどろいて声を上げると、台所からお母さんが出てきた。 「何の本を読んでいるの?」 「もも太ろうだよ、はじめてこんなにすごい本を読んだよ」 ぼくがもも太ろうという本を見つけたのは学校の図書館でした。その日は夏休みの本を借りるということで普通は1冊しか借りられないのに3冊借りていい日だったので、借りようと思っていたいきものずかんと先生が借りろと言ったかわいそうなぞうと何を借りたらよいかわからなかったので先生に聞いたら 「なんでもいい」 と言った。ぼくは知っている話ならすぐ読み終わるだろうと思ってもも太ろうを借りたのだった。 家に帰ってもも太ろうを読んで、ぼくはびっくりした。ぼくはもも太ろうの話を知っていると思っていたけれど全然知らなかった。まさか犬とさるときじが出てきて 「もも太ろうさんもも太ろうさんおこしにつけたきびだんごひとつわたしにくださいな」