The New Machiavelli June 04, 2018 by Peter Turchin 私が長期的に関心をもっているものの1つに、指導者と追随者がどう制度化されるかの動態がある。大規模な社会や他の大きな人間集団(企業を含む)は、完全な平等主義にはなりえない。別のエントリで書いたように、人間は蟻ではない。 協力を大規模に組織するには、指導者が必要だ。必然的にエリート(社会学的に中立な意味で「社会権力を掌中化する人口の極一部」)と平民(人口の残り)が出現する。大きな問題となっているのが、(程度の差はあれ)社会学の最も基礎的な法則の一つである寡頭政治の鉄則(簡単に言えば「権力の腐敗」)を、(一部)人間組織はいかにして回避、あるいは緩和するかだ。 なので、私はブルース・ブエノ・デ・メスキータとアラスター・スミスによる『独裁者のためのハンドブック:悪行がほとんどの場合に良い統治となる理
![ピーター・ターチン「ブルース・ブエノ・デ・メスキータは新たなるマキャヴェリである『独裁者のためのハンドブック』が駄本である理由:その1」(2018年6月4日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ab983993b3e64b4b59d0e283744c0d20a5e5b0b8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi0.wp.com%2Fecon101.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F03%2FMachiavelli_caricature-1.jpg%3Ffit%3D881%252C900%26ssl%3D1)