英ロンドンで掲げられた英国旗と欧州旗(2017年3月2日撮影)。(c)AFP/Daniel SORABJI〔AFPBB News〕 ブランド戦略としては不運な展開となった。英国の一部の政府高官が、英連邦諸国と新しい貿易協定を結ぶ仕事を「大英帝国2.0」と呼び始めたのは、単なる内輪の冗談だった。ところが、ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)に批判的な人々はこのフレーズに飛びつき、ブレグジットという考え全体のけん引力が帝国への郷愁であることの裏付けだと主張し始めた。 筆者はこの様子を見て、英国とその過去との関係が深刻なほど誤解されていると感じ、衝撃を受けている。英国民は帝国時代のことばかり考えているわけではなく、むしろ帝国時代の経験を、ジョージ・オーウェルの言う「記憶の穴」に大量に葬り去ってきた。ほとんどの英国民は主要な政治家も含めて、大英帝国の歴史を本当に知らない。 しかし、この「帝国