民進党の現職・蔡英文氏が勝利した台湾の総統選挙。その結果からは、台湾の「今」が透けて見えるという。『台湾物語 「麗しの島」の過去・現在・未来』の著者で、明治大学教授の新井一二三氏が解説する。 民進党と国民党の対立 1月11日に投開票が行われた台湾の総統選挙は大方の予想通り、現職・蔡英文(民主進歩党、以下民進党)の勝利で幕を下ろした。 予想を越えたのは、彼女が率いる民進党もまた、立法院(国会に相当)で単独過半数を獲得したことだろう。それは同時に、過去75年間、台湾政界を牛耳ってきた中国国民党(以下国民党)の衰退を印象付ける選挙結果ともなった。本稿は、この結果を、ここ20年を中心に台湾の歴史を振り返りながら考えてみたい。 過去20年の台湾政局をふりかえると、李登輝(国民党)が総統をつとめた1990年代の民主化をへて、2000年に初めての民進党政権(陳水扁総統)が成立して以降、民進党(2000−
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