コロナ危機対応については、新型コロナウイルス感染症対策分科会の場をはじめとする各所で、様々な議論がなされてきた。当初は医学や公衆衛生の専門家が中心だったが、対応が安全確保に偏りすぎだという批判を受け、経済の専門家も加わるようになった。一連の議論の一つの軸となっているのは、「安全・健康」と「経済」のトレードオフ(二律背反)である。もちろん、たとえば安全を徹底することは経済活動の不確実性を取り除くことにもつながるため、両者の関係は単純なトレードオフではない。 それぞれのコロナ対策(あるいはその不実施)がどのように安全と経済に影響を与えるかについて、専門家が科学的な解明を進めることは非常に重要である。他方、日本のような民主主義国家において、安全と経済のバランスをどのレベルで求めるかは、究極的には国民の選択となる。日本政府首脳もそこは当然認識しており、専門家たちの警告になかなか耳を傾けなかった菅首
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