「金科玉条」という言葉がある。人や組織が絶対的な拠り所として守る法や規則、信条などを意味するが、転じて、融通が利かない例えとしても用いられている。まさに、安全保障分野の研究を忌避し、タブー視する日本学術会議にとって、「戦争を目的とする科学の研究は、今後絶対に従わない」とした1950年の声明は、金科玉条そのものだろう。 「戦争を目的とする科学の研究は、今後絶対に従わない」とした1950年の声明は、日本学術会議の金科玉条そのもの (JIJI PRESS PHOTO) だがその後、この声明に関連して、同会議では何度も喧々諤々の議論が繰り返されていたことはあまり知られていない。加えて、第二次世界大戦の敗戦国として国連加入も認められていなかった55年には、一部の戦勝国が反対する中で日本の南極観測に道を拓き、その後、南極への輸送を海上自衛隊に委ねる判断を下したのも同会議だったという。 そうした知られざ