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ブックマーク / katokitiz.hatenablog.com (33)

  • なぜNGT48の『青春時計』はへっぽこな“水曜日のカンパネラ”みたいになってしまったのかについての考察 - シン・くりごはんが嫌い

    立ち上げ時からローカル番組などである程度追っかけ、お披露目公演やイベントも行った程度には思い入れがあるNGT48がついに『青春時計』でメジャーデビューを果たした。 すでに代表曲としての評価も定まっており、リクエストアワードでも1位をとった『Maxとき315号』を何度も何度も聴いているだけにいやがおうでも期待は高まり、YouTubeでMVが発表されると知ってすぐに視聴。後日Type-Bをツタヤでフラゲ、Type-Cをハードオフで購入して聴いた。 早速だが、この『青春時計』かなり変わった構成になっている。 まず出だしだ。48Gの楽曲といえば印象的なイントロから転調に転調を重ねていくというのがお決まりのパターンであるが、『青春時計』にはイントロがなく、いきなり歌い出しが“水曜日のカンパネラ”的なけだるいラップになっているのだ。 もちろんそのようにコンペも行われたのかもしれないが、実はこの曲の振り

    なぜNGT48の『青春時計』はへっぽこな“水曜日のカンパネラ”みたいになってしまったのかについての考察 - シン・くりごはんが嫌い
  • すでに作者の人となりが分かっている純文学『火花』 - シン・くりごはんが嫌い

    又吉直樹の『火花』を読んだ。 もはや説明不要といったきらいもあるが、現役の人気芸人が第153回芥川賞を受賞し、さらに出荷数が200万部を突破したことで話題になっている。 あまり読書量が多くなく、純文学と呼ばれるものもたいして読んでないのだが、かなりおもしろかった。 まず、文章に「ドヤ顔」感が一切ない。この時点で好感が持てるし、生々しい性描写もバイオレンスもなく、ある意味では万人受けするような内容である。会話の作り方も自然で関西弁に違和感がないし、キャラクター設定が絶妙で、特に不思議なカリスマ性を持つ売れない芸人の先輩、神谷の描写はずば抜けてすばらしく、ホントにこういう人がいそうだというリアリティラインが絶妙である。ところどころ出てくる風景描写や個々のエピソードをしめる文面も美しく、恋愛とも友情ともなんともいえない人間の関係性をここまであざやかに切り取ったのは見事というほかない。ほとんどの人

    すでに作者の人となりが分かっている純文学『火花』 - シン・くりごはんが嫌い
  • そもそも誰もおもしろいと言わない話だった『かぐや姫の物語』 - シン・くりごはんが嫌い

    『かぐや姫の物語』鑑賞。TVで放送したヤツ。 今作では余白についてのこだわりを見せ、青空はおろか木々の様子も細かく描かれず、むしろ地面ですら着色が途切れたりしている。あえてそうすることにより、空間を閉じ込めない。逆に広がりを感じてほしいとは監督の弁。 とはいえ、自分で絵が書けない監督のイメージに一介のアニメーターが近づくのは至難の技であり、しかもダメ出しのほとんどが「書きすぎ」ということから。書き足すことはできず、背景を最初から書き直すなんてことは日常茶飯事。 そのこだわりはキャラクターの動きも同様で、宮崎駿のように走ったりコケたりと目立つようなアクションでの指示よりも、人が歩いて立ち止まったりするスピードを微調整するというのが中心。しかもキャラクター自体が筆でさっと書いたイラストのようなものなので、色を塗るためにわざわざその線をキャラクターに重ねるなど(線がつながってないとコンピューター

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  • 香港映画フリーク感涙の傑作『仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーアクセル』 - シン・くりごはんが嫌い

    ここ三週間、仮面ライダー漬けであった……といっても土曜日を自分のなかで仮面ライダーDAYとしていたので、そこでTV版を一気見し、さらに『ビギンズナイト』と『運命のガイアメモリ』という劇場版も鑑賞し、一通り『仮面ライダーW』という作品を制覇することができた。長かったがかなり楽しんで観れたし、むしろ久々にこの手のエンターテインメントに触れられて救われた気もした。ちなみに『仮面ライダーW』は絶賛無料配信中なので、興味がある方はしのごの言わずに観ることをおすすめしたいところであるが、敷居が高いのはよくわかるので、無理強いはしない。 とはいえ、これはまだはじまりにすぎず、次から次におすすめ作品や関連作品を紹介され続け今に至る。それくらい派生も多く、すべての世界に熱狂したファンも多いということなのだと改めて思わされた。 んで、例の如く、また後輩にいろいろとDVDを持ってきてもらい、そのなかでも主要な登

    香港映画フリーク感涙の傑作『仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーアクセル』 - シン・くりごはんが嫌い
  • GACKTのゲーム実況がおもしろい件 - シン・くりごはんが嫌い

    なんとなく『ゲットバス』という釣りゲームがやりたくなって「このご時世やってる人なんているのかなぁ*1」と思っていろいろ検索してたら、GACKTがゲーム実況している「GACKTなゲーム!? ガメ先手ル!」という動画にたどりついた。 「すわ!なんだこれは!こんなことやってたのか!!」と早速見てみたらこれが意外とおもしろく、結局ゲームをせずに最後まで見続けてしまった。 まったく存じ上げなかったのだが、調べたところネスレがスポンサーとなりGACKTの実況動画を一年間、それも一日一回アップし続けるというとんでもない企画で、これをプレゼンして通したことがすごいが、それはともかく、関連のところに『ロックマン2』『魔界村』『グラディウス』といった名作ゲームの動画がたくさん並んでいてついつい見てしまった。 そこで今回はこの「ガメ先手ル!」についておもしろかった点をぼくなりに書いていこうと思う。ちなみにぼく自

    GACKTのゲーム実況がおもしろい件 - シン・くりごはんが嫌い
  • 『仮面ライダーW』を全話観た - シン・くりごはんが嫌い

    子供の頃から日曜の朝に放送しているようなアニメや特撮モノを観るという習慣がなかったので、ずーっとスルーしていたが、レイモンド・チャンドラーと『探偵物語』が大好きだといったら後輩(@Gung_hoo_Guns)が「探偵を主人公にした仮面ライダーがあるんですよ」とおすすめしてくれてて、それだけは頭の片隅にあった。 月日は流れ、縁あってTwitterでやりとりさせていただいてる漫画家の二ノ宮知子さんとたまたま仮面ライダーの話題になり*1、「実は後輩からおすすめされてるんですよー」と書いたら「無料配信中だからすぐ見て」とプッシュされ「まぁ無料でしかもネットで観れるなら……」という軽い気持ちで観ることにした。 そうしたら、これがおもしろいのである。 最近、映画を観るテンションではないというのもあったが、日の土壌にピッタリあったアクションモノとして肩の力を抜いて観られるのが良い。だからといってお決ま

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  • タモリがTVで「いいよね」って褒めた曲リスト - シン・くりごはんが嫌い

    樋口毅宏の傑作『さらば雑司ヶ谷』のなかで「人類最高の音楽家は誰か?」という議論を繰り広げる場面がある。 そこでキャラクターのひとりがタモリを引き合いに出して小沢健二こそ最高の音楽家だとまくしたてるのが話題になった。以下、文より引用。 「むかし、いいともにオザケンが出たとき、タモリがこう言ったの。『俺、長年歌番組やってるけど、いいと思う歌詞は小沢くんだけなんだよね。あれ凄いよね、“左へカーブを曲がると光る海が見えてくる。僕は思う、この瞬間は続くと、いつまでも”って。俺、人生をあそこまで肯定できないもん』って。あのタモリが言ったんだよ。四半世紀、お昼の生放送の司会を務めて気が狂わないでいる人間が! まともな人ならとっくにノイローゼになっているよ。タモリが狂わないのは、自分にも他人にも何ひとつ期待をしていないから。そんな絶望大王に、『自分はあそこまで人生を肯定できない』って言わしめたアーティス

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    hyaknihyak
    hyaknihyak 2014/09/10
    この書き方だとタモリが弾き語りをしてるように見える
  • くりごはんが嫌いな男の2013年ベストムービー(ゼロ・グラビティ以外) - シン・くりごはんが嫌い

    というわけで今年もやってまいりました。なんかネットで映画ベストテンを発表するのはどうなの?という意見も飛び交ってますが、いいじゃん。楽しいんだから。 『ゼロ・グラビティ』も『キック・アス2』も観てませんが、『グラントリノ』も『レスラー』もその年のベストに入れなかったひとなので、多分ランク外になることでしょう。というわけでとっとと発表してしまいます。 元祖『ゼロ・グラビティ』こと『2001年宇宙の旅』で船外に放り出されるシーン 1.バレット 2.オンリー・ゴッド 3.ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン 4.ホーリー・モーターズ 5.ジャンゴ 繋がれざる者 6.パシフィック・リム 7.スプリング・ブレイカーズ 8.マニアック 9.キラー・スナイパー 10.チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット 1.は映画の出来としては60点くらいだと思うんだけど、ウォルター・ヒルらしさ溢れ

    くりごはんが嫌いな男の2013年ベストムービー(ゼロ・グラビティ以外) - シン・くりごはんが嫌い
  • 『ドライヴ』以上に観る人を選ぶ問題作『オンリー・ゴッド』 - シン・くりごはんが嫌い

    では来年の一月に公開される『オンリー・ゴッド(Only God Forgives)』をUS盤BDで鑑賞。 ある日、タイのバンコクでボクシングジムを経営し、裏では家族で麻薬ビジネスにもかかわっているジュリアン(ライアン・ゴズリング)の兄が殺された。ジュリアンの兄は売春をしていた少女を強姦して殺し、すぐにその少女の父親に復讐されたというのだ。その復讐を仕切ったのが、地元では“復讐の天使”と呼ばれている元刑事のチャン。しかしチャンは復讐を遂げさせたあと、娘への償いだと今度はその父親の腕を切り落とした。なんとその売春自体その父親の指示であり、他にも4人の娘に売春をさせていたのだ。事情を聞いたジュリアンは兄の復讐をためらうが、そこへ麻薬ビジネスの元締めであるジュリアンの母がタイにやってくる………というのが主なあらすじ。 昨年『ブロンソン』や『ドライヴ』で良くも悪くも日映画ファンを熱狂させたニ

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  • 「リターナー」を再評価せよ!『安堂ロイド』第一話 - シン・くりごはんが嫌い

    『安堂ロイド』の第一話を観た。 その人を喰ったようなタイトル。さらに演技がいつも一緒と評判のキムタク主演でSFをやるということで、放送される前から散々叩かれていたが、正直かなり楽しんで観た。 まず木村拓哉が「いつものキムタク」じゃないのがとても良い。 どの程度制作に関わってるのかはうかがい知れないが、主人公のキャラクターが「コンセプト・設定協力」としてクレジットされている庵野秀明にそっくりである。いや、正確にいうならば庵野秀明をモデルにした安野モヨコの『監督不行届』に出てくるカントクくんということになるのだろうが、あの天化のキムタクが他人とコミニュケーションをはかれない偏屈なオタクを堂々と演じており、さらにウルトラマンのポーズまで決めるしまつで、後に出てくることになるアンドロイドとの差別化をはかるためかもしれないが、その時点で「いつものキムタク作品ではない」と所信表明をする。 いろんな人が

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  • まさに意外な映画『アクシデント/意外』 - シン・くりごはんが嫌い

    『アクシデント/意外』を鑑賞。ジョニー・トー制作でソイ・チョン監督作。 ピタゴラスイッチ的なしかけで事故に見せかけてターゲットを殺す暗殺者四人組。しかし、おなじような事故でもって仲間のひとりを殺され、あげく空き巣に入られ、これまで暗殺でかせいだ金をすべて盗まれる主人公。不審に思った彼は仲間に疑いの目を向けつつ、あるひとりの男の存在にたどりつき、彼を監視しつづけるが……というのがあらすじ。 「武器をつかわずにターゲットを殺す暗殺者集団の映画を撮りたい」というソイ・チョンの想いから製作がスタート。実際、事故に見せかけて暗殺するというのはどういうことなのか?を徹底的にリサーチし“禁書”と呼ばれるものまで読みあさったらしいが真意は不明。どうやったらガラスが割れて、どうやったらガラスが落ちてくるかなど、それこそ映画のキャラクター同様、当に事故に見せて殺す手段を現場でもリハーサルを重ねて再現する徹底

    まさに意外な映画『アクシデント/意外』 - シン・くりごはんが嫌い
  • ミスチル地蔵地獄 - シン・くりごはんが嫌い

    Twitterを見てたらこんなNAVERまとめが流れてきた。 ミスチル地蔵ありえない! #サマソニ 大阪でミスチルファンのマナーの酷さが叩かれる - NAVER まとめ リンク先見るのめんどーいという人のためにかいつまんで書くと、サマソニにて、ミスチルのファンがミスチルを見るために最前列で場所取りをし、他のアーティストが演奏しているのに、その演奏には見向きもせず、早く終わらないかなーという空気を出していたらしい。フェスでの場所取りはマナー違反とされているのだが、そういったミスチルファンの行為を「ミスチル地蔵」と呼ぶそうだ。ミスチルファンはライブでマナーが悪い!というのは昔からよく聞いていたが、なるほどこういうことだったのか。今日はじめて知った。 しかも、そのミスチルの出番の前に演奏していたのはこともあろうにスマパンだったというから驚きを隠せない。 まとめの中のツイートによれば「前座を見てく

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  • フジファブの『若者のすべて』とミスチルの『HANABI』について - シン・くりごはんが嫌い

    先日『SUMMER NUDE』についてチラっと書いたが、このドラマのなかでフジファブリックの代表曲のひとつである「若者のすべて」が使われている。 視聴率は順調に右肩下がりらしいが、こういうトレンディなものを時代が求めてないということが数字として表れたようだ。ぶっちゃけ、つまらなくてもなんとなくで見ている視聴者ばかりだと思っていたが、さすがにそこまでバカではないようだ。 それでもぼくはこのドラマを楽しく拝見している。第二話についてはこの前に延々書いたが、第三話もすごかった。三年間DVDを延滞し続けるというのもなかなかだが、今回のハイライトはなんといっても黙って消えてしまった長澤まさみを待ち続ける山Pである。ダイジェストでさーっと演出されていたが、少なくとも一年間はヒマを見つけて長澤まさみがでかでかと写っている看板の前にいつづけるのだ!夏はまだいいが、冬もだぞ!暖をとるのも兼ねているのだろうが

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  • 国内でソフト化されてない幻の作品『混血児リカ』 - シン・くりごはんが嫌い

    『混血児リカ』をUS盤DVDで鑑賞。 結構前の話になるが、いつも楽しくブログを読まさせていただいているマクガイヤさんがニコニコ動画で“Dr.マクガイヤーの冒険式映画ゼミ”という番組をアップした。 いちばん最初に“動く”マクガイヤさんを観たのは今はなきBSの番組「熱中スタジアム」の“引っ越し”の回。たしかクソデカいゲーセンの筐体だったかを窓からクレーンで吊るして入れたみたいなエピソードを披露したと記憶しているが(間違ってたらごめんなさい)、そのときとは明らかに違うテンションで『ドラゴン・タトゥーの女』についてまくしたてるように講義している。 ぶっちゃけ観る前はポッドキャストに毛がはえたような感じだろうと勝手に思ってたのだが、これがかなりしっかりしたつくりで、テロップの出し方や映画に関する補足まで細かく演出されており、普通にこのまま番組として放送してもおかしくないクオリティで驚いた*1。ホーム

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  • 王道ディズニープリンセスと通過儀礼『シュガー・ラッシュ』 - シン・くりごはんが嫌い

    注・ネタバレあり!これからストーリーのほとんどを語りつくします 『シュガー・ラッシュ』を2Dの吹替版で鑑賞。 8ビットに変えられた『蒸気船ウィリー』からコナミコマンドまで飛び出すゲームへのリスペクト/小ネタが楽しく(『メタルギア・ソリッド』の「!」には笑った)、様々なジャンルのゲーム世界を描き分けたプロダクションデザインは完璧で、そのすべてが見事に融合したエンドクレジットは涙が出るくらい感動したが、実はものすんごく古典的なお話である。 映画評論家の町山智浩氏が「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」に出演した際、神話と通過儀礼の物語についてこう話していたことがあった。 八百屋さんの息子が「八百屋なんてだせえよ、オレはロッカーになりてえんだよ!」つって家出して、んでロックバンドやるんだけど、うまくいかなくて苦労して、でもふと「八百屋って結構いいよな、みんなに野菜売るっていいと思うんだ

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  • PS3じゃないと再生できない?『THX-1138』 - シン・くりごはんが嫌い

    『THX-1138』をBDで鑑賞。 25世紀の未来。人間は地下のシェルターに閉じ込められ、精神安定剤のようなものを服用し、感情を抑圧され、ロボットのように淡々と作業を続けなければならなくなってしまった高度管理社会が舞台。このシステムに疑問を覚えたLUH-3417(人間はすべて番号で呼ばれている)がルームメイト、THX-1138の精神安定剤をすり替えたことから、感情が芽生え、ふたりは恋に落ちてしまう……というのが主なあらすじ。 とても暗く、とても静かなSF映画であり、コッポラがその才能を見込んで製作が開始されるが、それがなんと『2001年宇宙の旅』が公開されてから一年後の1969年というのだから驚く。当時アメリカン・ニューシネマの台頭がきており、テーマ的にはその系譜に位置づけられるものの、いかんせんその作風は早すぎた。宣伝が充分じゃなかったと言っているが、確かにどうやってこの作品を売っていい

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  • ビン・ラディン暗殺までをダイジェストで『ゼロ・ダーク・サーティ』 - シン・くりごはんが嫌い

    『ゼロ・ダーク・サーティ』鑑賞。言わずと知れたビン・ラディン暗殺をテーマにした作品。 3時間弱というランタイムながら、9.11からビン・ラディン暗殺までの歴史を丸々描いているので、まるでダイジェスト版のような早さで駆け抜ける重厚/濃密な一作。延々爆弾を解体し続ける映画『ハート・ロッカー』の監督だけあり、今作も延々とウサマ・ビン・ラディンを追い続けるというストレートな作品で、政治も絡んで少しばかり難しいかなと危惧していたが、フタを開けてみると「テロリストに同僚を殺されたので復讐します」という話でもあったので受け入れやすかった。 「ビン・ラディンの居場所を発見したチームの中心は女性だった」という事実だけを元にキャスリン・ビグローはその女性キャラを創造豊かにクリエイトし活写。自身を投影してるんじゃないかというその造形は『ターミネーター』のサラ・コナーのようだが(サングラスをかけてるところとかその

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  • テキサス!チキン!イラマ……『キラー・スナイパー』 - シン・くりごはんが嫌い

    『キラー・スナイパー』をレンタルDVDで鑑賞。 『フレンチ・コネクション』や『エクソシスト』でおなじみ、巨匠ウイリアム・フリードキンの新作ながら、見事に国ではDVDスルー………どころか、なんとセル版も発売されないという徹底ぶり。つまりこの作品はレンタルでしか観れないということになる。メニュー画面もまったくリキが入ってない体たらくっぷりで、邦題のつけかたもあいかわらずテキトーな感じ。 麻薬の密売組織から借金をしていた下っ端のチンピラが、借金返済のために保険金殺人を思いつく。金のためなら殺人もいとわないという警官、キラー・ジョーの存在を知り、その殺人をジョーに依頼するのだが、事件は意外な方向へと転がっていく……というのが主なあらすじ。 監督の前作『BUG』にも通ずる、シチュエーションモノだなと思ったのだが、原作者が同じだということを見終わったあとに知った。つまり『BUG』をおもしろいと感じた

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  • 『気狂いピエロ』って何がおもしろいの? - シン・くりごはんが嫌い

    先日、職場の人と話していたら、思いがけない方向から映画の話になり、なんとなくゴダールの話になった。その人は『アメリ』を観てからフランス映画に興味を持ったらしく、有名ってことで『気狂いピエロ』を手に取って観たらしい。そこでいきなりこう振られて、思わず固まってしまった。 ねぇねぇ『気狂いピエロ』って何がおもしろいの?全然分かんなかったんだけど。 これは非常に困った質問である。なぜならば『気狂いピエロ』は別に「おもしろい映画ではないからだ。 しかも、この映画が生まれたいきさつを説明するのが非常にめんどくさい。「いや、これはまずハリウッドシステムってのがあってね、それをリュミエール兄弟やグリフィスの時代に戻そうという運動が……」なんてことを言い出したらドン引きされそうである。 確かにこの『気狂いピエロ』はそれこそ「考えるな!感じろ!」と言われてるような雰囲気もあって、ぼくも他のゴダール作品につい

    『気狂いピエロ』って何がおもしろいの? - シン・くりごはんが嫌い
  • ぶっちぎりに「すごい」映画だ!『Evidence』 - シン・くりごはんが嫌い

    『Evidence』をUK盤DVDで鑑賞。 ついこないだ2012年のベストムービーを発表したばかりでアレだが、いやはやとてつもない映画をこの年末に観てしまった。見終わったあとにこの映画についてこんなに誰かと語り合いたくなったのは久しぶりのことである。「すっごい映画だった」なんてのはみんなもよく口にしているだろうが、これほど「いやぁ!ホントにすっごい映画だったね!」という言葉が似合う作品もないだろう。それほど圧倒され、衝撃を受けた。いつ発売されたソフトなのかは分からないが、今年の映画としてカウントしてもいいのならば文句なしのベストワンである。 この映画は元々日で公開されてないような映画を率先して観てブログを書いているナマニクさんとnotld_1968さんに教えてもらった。 Evidence | ナマニクさんの暇つぶし http://blog.livedoor.jp/notld_1968/a

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