無限とも思えるコンピュータリソースを擁するパブリッククラウド。ところが、新年早々のユーザー企業への取材で「クラウドは性能不足」との声が相次いだ。いずれもオンプレミス(サーバー設置型)で利用する業務システムをクラウドに移行しようとして壁に突き当たった。 「まさか、最初から最高性能のサービスを使うことになるとは思わなかった」。こう話すのは、社内システムのクラウド移行を積極的に進めるA社のIT担当者。サーバーをはじめハードウエアの調達や保守作業をオフロードする目的で、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を活用する方針である。同社がつまずいたのが、販売管理や営業支援で活用するCRM(顧客関係管理)パッケージだ。 検証目的でクラウド上で動かしてみたところ、オンプレミスよりも遅い。原因を調べると、CPUがボトルネックとなり、データベース(DB)で遅延が発生していた。IaaSでは、仮想