学校で使われる教材のデジタル化が急速に進んでいる。令和7年度から使用される中学校の教科書では、動画や音声など専用のデジタル教材にアクセスする2次元コード(QRコード)の掲載が大幅に増えた。 デジタル教材は児童生徒の学習意欲を高め、学びを深めるメリットがある。先進各国でも教育現場で広く使われており、適切な内容であれば活用すべきだろう。 一方、デジタル教材は「補助教材」であり、教科書検定の対象外だ。文部科学省によるチェックは限定的で、不正確な情報や偏向した内容が入り込む懸念もある。 文科省は、教科書とリンクしたデジタル教材の長所を生かしつつ、その内容が適切か、確認する措置を講じてほしい。 文科省の検定に合格し、7年度から使用される中学校の教科書のうち、9割以上がQRコードを掲載した。例えば1年英語の平均は83・3カ所で、現行版より1・7倍増加した。各教科全体で8倍以上も増やす教科書会社もあった