昨年暮れの総選挙時に、日本共産党は「アメリカ いいなり もうやめよう」という何とも腑(ふ)に落ちない標語をポスターに掲げていた。日本がアメリカの言いなりになっているとの認識に立ち、それが駄目だと言うのであれば、その元凶とも言うべきアメリカ製の日本国憲法にも異議を唱えなければ筋が通らない。しかし日本共産党は、憲法改正に反対する「護憲」の政党なのである。 日本国憲法は、被占領下で日本の主権が著しく制限されていたときに、戦勝国アメリカが日本の骨抜きを謀(はか)って押しつけたものだ。日本はこの憲法をありがたく押し頂くことを余儀なくされ、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」するという虚構をあてがわれて、普通の国なら当たり前の軍隊さえ持てない国に貶(おとし)められた。半ば不自然な憲法解釈によって認知されてはいるものの、自衛隊は、専守防衛のタガをはめられた似非(えせ)軍隊であり、軍隊本来の防衛行動は