燃料電池はエネルギー変換効率が高く、環境にやさしいことから、次世代のエネルギーシステムとして期待が高まっている。しかし、現在の燃料電池は、大型装置のため持ち運びができなかったり、水素ステーションで純水素燃料を供給したりする必要があるため、用途や使用場所が制限される。また、充電が必要な二次電池は、電源がないところでは使用時間が限られ、被災地や山間部などでは使いにくいとされていた。そこで、産総研は「どこでも使える燃料電池」をコンセプトに、株式会社アツミテックと市販の液化石油ガス(LPG)カセットボンベで発電できるハンディータイプの燃料電池の開発を進めてきた。静岡県浜松市にあるアツミテックと産総研が開発を進めていた燃料電池の技術に着目したのが産業用ドローンの開発・販売を行う株式会社プロドローン(愛知県名古屋市)だった。これまで二次電池を使ったドローンでは10~30分程度しか連続飛行ができず、電源