殺人が肯定された世界を描く 100年前、殺人は悪だった。しかし現在は10人産めば、1人殺してよいという〈殺人出産制度〉が施行されている。出産とセックスは切り離され、子供は人工授精で産むものとなった世の中で、人口減を食い止めるために導入されたのがこの制度であり、希望者は「産み人」となり、周囲からあがめられる存在となる。男性も人工子宮をつければ、産むことが可能だ──村田沙耶香さんの新作『殺人出産』の表題作は、そんな近未来が舞台である。 「去年、殺人についての小説を書こうとしたのですが、300枚ほど書いてもうまくいかなくて。その時は、殺意を持っている人たちが自助サークルで殺さないように励まし合う話だったんです。編集部から一回それを捨てたほうがラクになるんじゃないかと提案されて、今年のお正月から10人産んだら1人殺せる、という新たな設定に取り組んだら、一気に書き上げることができました」 つまりは殺
Copyright 2012 YosukeTakeda All Rights Reserved.
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く