ここ数年の映画界に於いて“イラン”という言葉を頻繁に見かける。実際、イランの映画作家たちの突出した世界的飛躍にお気づきだろうか。アカデミー賞、セザール賞、ゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞受賞、ベルリン国際映画祭では最高賞の金熊賞に輝くなど世界にイラン映画の質の高さを知らしめたアスガー・ファルハディ監督作『別離』(2011)を筆頭に、今年2月に開催されたベルリン国際映画祭金熊賞を監督不在のまま(反政府的活動を支持したとして現在出国できず)受賞した『Taxi(原題)』のジャファル・パナヒ。さらには以前何度かWorld News[132][212]でも紹介したIndie Tokyo猛プッシュの新鋭女性監督で、長編処女作『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』が好評のアナ・リリ・アミリプールもイラン系アメリカ人だ。この作品は、あくまで架空のイランが舞台のアメリカ映画であって、イラン映画ではない