「見えないと、もっと見たい!」日暮里富士見坂を語り継ぐ、眺望再生プロジェクト / Gone but not forgotten: Project to restore the view at Nippori Fujimizaka. バガボンド長谷川利行 (3)の2 「Kといふ挿繪畫家が昭和七年の晩秋、瀧の川の汚いアパートの二階にゐた。」(註80) ここでKと呼ばれているのは、画家木原芳樹(註81)である。木原自身は、高崎の自身に関する記述を訂正しながら、長谷川利行との出会いについて語る。 「私は長谷川より十三才歳下の若輩ではあったが、大正十五年帝展に「佐渡おけさ」で長谷川の「廃道」と共に初入選(22才)、昭和五【七】年(註82)独立美術展に、「河畔」が入選している。(中略)私の描き捨ててあった古キャンパスを長谷川に呈供したものだ。そんなのが数枚長谷川の絵の下塗がわりになっている。その頃は長