煽り運転マン逮捕された直後から、テレビやネットがフミオ!ガラケー!フミオ!ガラケー!と大騒ぎするものだから、とても他人事とは思えなかった。だが、僕自身は、生来の巻き込まれ体質もあって、煽られる側の人間であった。生真面目に四十キロ制限の県道を四十キロぴったりで走行しては、若者が運転する軽自動車に後ろかチカチカやられ、追い抜く際に中指を立てられるような理不尽な目に遭うことが、本当に、本当に多かった。 そういう頭の悪い若者は、Siriに入れる座薬のようなものである。座薬特有の異物感はSiriの中ですぐに溶けてなくなり、忘れてしまう。僕は大人の余裕を見せて車を停めて道を譲る。座薬バイビー。だが、バックミラー越しに彼らが助手席にセクシーギャルを乗せているのを見てしまうと、座薬の分際でギャルかよ、ザケンナヨ、絶対に許さない、という気持ちが沸いてきて道を譲る気持ちは蒸発、道を譲らず四十キロきっちり維持し
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