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1992年の設立以来、電子書籍に取り組んできた株式会社ボイジャー代表の萩野正昭氏。「電子書籍元年」などと騒がれるずっと以前から書籍ビューワ、フォーマットそして流通システムの開拓に尽力してきた人物だ。 ボイジャーは、講談社との関係が深い。先日話題を集めた京極夏彦氏の新刊『死ねばいいのに』の電子化も手がけている。また萩野氏が“2008年7月から2009年5月までに計458本のコミックを申請したところ約35%に当たる161本が配信拒否された”と公表して(朝日新聞2010年5月28日付)、Appleの審査の実情を紹介し、一石を投じたことも記憶に新しい。 今回は、日本における電子書籍の生き字引的存在とも言える萩野氏に、連載第4回で取り上げたiBooksにおける審査の問題、そして前回整理を試みた電子書籍フォーマットを中心に話を聞いた。 Appleの表現に対する審査姿勢は大いに疑問だが…… ――『働きマ
(訂正あり:2月12日20:24分) 2010年1月27日にAppleがiPadを発表し、今年は「電子出版元年」ということになっている。 しかし一方で、ネット上で有料の電子出版で儲けることは容易ではないと見られている。「ペニーギャップ」(1セントの壁)という言葉があるように、「タダ」のものと「有料」のモノには大きな壁があるからだ。 ここで思い出していただきたいのは、昔、無料のMP3の音楽ファイルが山ほど出回っていた時にはネットでの音楽販売を儲かる事業にするのは極めて困難と思われていたにも関わらず、AppleがiPodやiTunes Storeを発表して、音楽を儲かるビジネスに変えてしまったことだ。 また携帯電話上でも、月300円程度のサービスを結構簡単に申し込んでしまい、そのままになっているということはよくある。心当たりのある方も多いのではないだろうか。 つまり「ペニーギャップ」なるものの
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