研究目的は,介護老人福祉施設の介護職員に対する視覚教材を用いた手洗いの洗い残しを認識する自己学習の効果を検証することである.対象者である介護老人福祉施設の介護職員27名に対して,蛍光塗料含有ローション塗布後に通常手洗いを実施し,Gritter BugTMにより照らし出される部分を洗い残しとして自己学習する実験介入を自己学習前,自己学習直後,1週間後,1か月後に実施した.手指全体と各部位ごとに手洗いの洗い残し状況の得点でみた結果,自己学習直後および1週間後に有意に得点が下降していたが,1か月後には有意差がみられず,各評価段階すべてにおいて手背側より手掌側に有意に減少がみられた.これは,視覚教材を用いた自己学習直後の効果を維持するための定期的な追加介入などの方策および手背側手洗いの励行の必要性を示唆している.
Online ISSN : 1884-569X Print ISSN : 0387-5911 ISSN-L : 0387-5911
【目的】中学校、高等学校の家庭科担当教員に調理実習の現状について実態調査を著者らが行ったところ、揚げ調理を実施している中学校、高等学校はともに20%で、授業時間数の減少や補助者の問題などが関係し減少傾向にあることが分かった1)。そこで、油の処理も含めた揚げ調理の一連の操作を学ぶことができる教材の開発が必要であると考えた。本研究では、まず天ぷらを取り上げ、生活体験レベルが異なる生徒にも対応可能な教育媒体としてリーフレットを作成した。多くの教育現場で活用してもらうため、このリーフレットを高校家庭科担当教員へ送付し、揚げ調理の実施状況およびリーフレットの評価についてアンケート調査を行った。 【方法】<リーフレット> 天ぷらの作り方について、油の種類・必要な調理器具・食材の準備・衣の作り方・油の温度管理・揚げ操作・油の処理方法までをカラーのイラストと写真を用いて説明した。<アンケート調査> 201
【目的】近年、料理は食味、エネルギーともに軽いものが好まれる傾向にある。料理店格付けで高い評価を得ている天ぷら専門店の食味の軽さは、衣調製方法と加熱温度管理が主因であろうとの仮説で検討を行った。天ぷらの技術情報は、教育機関のテキスト、一般料理書、メディア情報を含め記述幅に大きな差はないが、衣調製方法や加熱温度管理の細部情報はない。本報告では、特に衣の配合、卵水の攪拌方法、衣付着方法、加熱温度について、熟練者(職人)と非熟練者(一般情報を得てきた人)を比較解析し、好ましい食味の天ぷらを再現性高く作ることができる調理技術情報としたい。 【方法】工程解析は、熟練者として「てんぷら近藤」店主 近藤文夫氏と、非熟練者3名の計4名から得た。材料、揚げ油、油量、鍋の材質と形状は熟練者の方法に統一した。調理工程及び所要時間、加熱中の油温度の変化、加熱開始から引き上げ後の揚げ種内部の温度変化を測定した。天ぷ
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