若い人は「ギザ10」と言われても、何のことだかわからないでしょうか。 「ギザ10」とは、昭和20年代に発行されていた10円玉で、周縁部に溝が彫られておりギザギザになっています。以降の10円玉はツルツルなので、比べるためにこう呼ばれています。 古い硬貨なので、最近は流通しているものも少なくなっていて、滅多に見かけなくなりました。先日、自動販売機のおつりでたまたま見かけ、あることを思い出しました。 もう20年以上前のことでしょうか。当時親しくしていた男性がいました。彼は常々「ギザ10を100枚ためると幸せになれるんだ」と言っており、見つける度に嬉々として集めていました。私もギザ10を見つけると、彼に渡していました。 ある時、彼がご実家の都合で鹿児島の田舎に帰ることになりました。彼を見送る日、「結局100枚たまらなかったけど、集めたギザ10は君にあげるよ」と、私にくれました。 メールなどの連絡手