「大学教育に文学は不要」「英文学を学んでも英語ができるようにならない」という声を聞くことがあります。こういった見方について、シェイクスピア研究者で大学准教授にして、自称「不真面目な批評家」、著書『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』が好評の北村紗衣さんに、2回にわたって(至って真面目に!)検証していただきます。第2回のテーマは「大学の英語の授業で、なぜビジネスや資格試験ではなく文学や映画を使って学ぶのか?」です。 なぜ英語の授業で文学を取り上げるのか? 前回の記事 では、なぜ大学で英文学を英語で学ぶ必要があるのか、という話をしました。 ▼前回の記事はこちら↓ 今回の記事では、専門科目ではなく、 一般の英語の授業で文学作品を読む理由は何なのか 、という話をしようと思います。 このことについて私が時々感じるのは、大学教育に携わっていない方々は、あまり現在の大学や外国語の授業のことをご存じない、とい