医療機関専用の薬を,一般の人でも買える大衆薬として転用したもの。薬局のカウンター越し(OTC=over the counter)に買えるように,転用switchされたという意味。スイッチOTCは1980年ごろから発売が始まったが,1990年代に入って急激にその数が増え,風邪薬や水虫薬などを中心に,年間約20品目と,それまでの約2倍のペースで発売されるようになった。 こうした市場の活性化の背景には,消費者が〈より効く薬〉を求めるようになったこと,年間7000億円前後で横ばいになっているOTC(大衆薬)市場を活性化させようという製薬会社の意図と期待,医療費抑制政策が進められる中で健康保険が負担する病院の医薬品よりも薬局などの店頭で買い求められ,全額患者負担となる大衆薬の活用を促進しようという厚生省の思惑などが複雑に絡んでいる。 スイッチOTCはOTCに比べて効き目が強い。その分,用法・用量の管