(英エコノミスト誌 2010年12月18/25日合併号) アイスランドは債権者に厳しく、自らに優しくしてきた。アイルランドも同じことをすればよかったと思うかもしれない。 これは長年、数え切れない生徒たちによって使われてきた戦略だ。一番できの悪いクラスメートを見つけて、その生徒に負けないように頑張るのだ。 各国政府も、厳しい状況の中で自国経済が健闘していることを有権者と市場に納得させるために、同様の策を弄してきた。 「我々はギリシャではない」というのは、ユーロ圏諸国が神経質な債券投資家に対して繰り返し述べてきたセリフだ。不当な扱いを受けたアイルランドの納税者にとって慰めとなる考えは、「少なくとも我々はアイスランドではない」というものだった。 何しろ、アイスランドでは、肥大化した国内銀行が2008年に大々的に破綻していた。しかし、その慰めは色あせている。 「アイスランドよりはまし」とは、もう言