(2010年7月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) また1週間が経ち、またユーロ圏が激しく揺れた。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は言うまでもなく、欧州中央銀行(ECB)のジャン・クロード・トリシェ総裁やギリシャのヨルゴス・パパンドレウ首相が切に夏休みを必要としているように見えるのも無理はない。 だが、ユーロ圏が痛みにもだえ苦しんでいる今、ユーロ圏の問題とは別だがそれと関係する、スイスの中央銀行を悩ますジレンマも一考に値するだろう。 経済成長は欧州で2番目の高さ、昨年は債務も減らしたのに・・・ 確かに、スイス政府にはパニックするような理由はあまりないように見える。スイスの成長率は最近、欧州で2番目の高さとなっている(スイスを凌ぐのはスロバキアだけ)。昨年は、債務を削減するというなかなかの偉業もやってのけた。 しかし、今の混乱した世界では、この見上げた「成果」がスイス国立銀行(SNB)の頭