政治家、官僚、財界人……日本の学歴エリートの劣化がいちじるしい。無能、無知の隠蔽体質であるにもかかわらず、権力・財力が過度に集中し、この国はいま危険な状態にある。しかし、新刊『2時間でわかる政治経済のルール』を著した倉山満氏は、日本はもともとは権力・財力・知力がさまざまな層に分散された世界でもまれな国家で、それこそが国としての強さの源だったと指摘する。そんな倉山氏が示す、我々が目指すべき新しい「学び」のカタチとは? 「世界史の奇跡・日本」が生まれた理由 日本は、権力と財力と知力が比例していないのが美徳だった。 たとえば、江戸時代。権力は武士が、財力は田舎の地主と商人が、知力は各層の向学心がある教養市民層が持っていた。 これが他の国なら、権力と財力を特権階級が独占し、それ以外の人々は字も読めない。だからこそ一部のエリートが国を支えなければならず、その一部エリートは極端に優秀にならざるをえない