日本国内の議論を見ていると、自国の安全や平和を論じるのに「日本に歯止めをかける」という側面が優先されている。本来、日本の安全や平和は、日本を取り囲む国際環境のあり方によってまず決められるはずである。だが最近の日本国内の集団的自衛権をめぐる国会論議では、「日本自身が暴走しないように」という内向きの姿勢ばかりが目立つ。日本の敵は日本なのか。日本を脅かすのは日本自体であるかのような思考である。 日本の安全保障の論議では、まず外部から日本に影響を及ぼし得る要因を直視することから出発すべきだろう。私自身は、普段は米国の首都ワシントンに拠点を置き、米国側の政策や情報を踏まえながら日本を見つめている。外から日本を見ていると、そのことを特に強く感じるのである。 そして、ごく客観的に見て、現在の日本は国家安全保障という点で、戦後でも最大の危機に直面していることを痛感する。国家の命運が問われる状態にある、と言
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