SAP、Oracle、Microsoftなど大手ソフトウェアベンダーがSaaSに力を入れ始めた。中堅中小企業専門のIT調査会社ノークリサーチに、調査結果をもとにした中小企業のSaaS利用を展望してもらう。 SaaS(Software as a Service、サース)とは、「ベンダーが所有するソフトウェアをユーザーがネットワーク経由で利用するサービス」を指す。それは「カスタマイズの実現度」「ユーザービリティの高さ」「マルチテナント技術の応用」といった技術的裏付けから従来のASPとは区別されるソフトウェアの提供形態である。SaaSは将来的にXaaS(X as a Service)と呼ばれるサービス領域にまで拡大することになる。 SaaSの定義 SaaSはソフトウェアの提供形態の呼称に過ぎないため、厳密にはSaaS市場なるものは存在しない。今それを便宜的に「SaaS的市場」(以下SaaS市場)