原爆の日にちなみ、田上長崎市長が「平和宣言」と呼ぶ声明を発表した。被爆地の市長ゆえ、核なき世界を望む気持ちは分らないじゃない。しかし、その内容たるやまるっきり左翼のアジ演説で、お粗末なものだ。おいおい、まだこんな寝惚けたことを云ってるのか、と呆れてしまう。 核非難の共同声明に署名しなかったとか、インドと原子力協定を結んだとか、日本政府を非難するが、たかが一地方都市の首長の分際で随分、生意気をヌカすではないか。犠牲者を心から悼み、被害者の心情に寄り添うべき式典で、政府の方針にイチャモンをつけて何の意味があるのか。 おかしいのは長崎市民そっちのけで「地球市民」などと間抜けな台詞を吐き、ひたすら核廃絶の念仏を唱えることだ。そんな戯言をどれだけ訴えようと宣言しようと、保有国が手放さない以上、核兵器がなくなるワケがない。むしろ核保有が互いの抑止力になり、平和が維持されている現実をよく認識すべきだろう